ラン「あ、あの……っ!ティファレト……!?」
ティファレト「自覚しちゃった」
ラン「な、何が?」
ティファレト「僕はやっぱり君のことが好きなんだと思う」
ラン「……───!?」

ただでさえ動揺している時にまた物凄い言葉が降ってきて、私は硬直してしまった。

ティファレト「そんな予感はしてたんだけど、まさかと思って」
ラン「え、えっと……あの……」
ティファレト「でもさっき酒場で遂に分かった」
ラン「さ、酒場?……あの、ティファレト、取り敢えず離……」
ティファレト「嫌だ」
ラン「……っぁ!?」

言葉と共に更にきつく抱き竦められて、
私はもう完全に動けなくなってしまった。

その腕の強さと、背中に触れた彼の───吐息のせいで。

ティファレト「君が他の男と話していると苛つく」
ラン「……え……っ」
ティファレト「僕は戦場に立てない。側で君を守ってやれない。でも彼等はそれが出来る」
ラン「何……言ってるの、そんな……」
ティファレト「君を守るのは僕でありたいのに」
ティファレト「……僕はこうして治すことしか出来なくて……」

ラン「そ、それだって十分凄いよ、 私はティファレトのこと尊敬してるし、凄いと思っ……」
ティファレト「尊敬なんて別に僕は要らない」
ラン「!?」
ティファレト「そんなつまらない感情は別に欲しくない」
ティファレト「僕が君に望むのは……───」

ラン「……っ!?」

彼の唇が、私の首筋に触れた。

ティファレト「君が僕を愛してくれることだけ」
ラン「ティファ……レト……っ」

心臓の音が近過ぎる。
耳元で鼓動が聞こえて、全身が熱い。

ティファレト「好きだ、ラン」
ラン「あ……っ」

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