ラスティン「美しい瞳のお嬢さん、こっち向ーいーて♪」
ユリアナ「あっ!!」
ラスティン「さぁ、これをどうぞ。貴女のその瞳と同じ色の花を選びました」
ラン「えっ!?あの……!?」
ラスティン「初めまして、俺はラスティン。彼女募集中だったけど、もうそれを口にするのは止める」
ラン「は?」
ラスティン「今この瞬間から俺の彼女にならない?いや、なろうよ、なるべき」
ラン「!!??」
ラスティン「女の子が入るって聞いて楽しみにしてたんだけど……想像以上に可愛い子で良かったよ」
ラスティン「この蒼いアネモネよりももっと深い深いその美しい青紫の瞳……」
ラスティン「そんな瞳で見つめられたら男は誰も逃げられない」
ラン「あの……っ、あの……」
ラスティン「今、ここで君に逢えたのもきっと運命」
ユリアナ「いい加減にしなさいよ、ラスティン!彼女は来たばっかりなの、怯えさせないで」
ラスティン「怯えさせないで、とは心外だなぁ。俺はいつでも真面目なのに」
ラスティン「俺の名前と顔、覚えてくれたよね?これから仲良くして」
ラン「そ、そう言われても……」

花束を近付けられ、
突っ返すのもちょっと可哀相な気がして、
つい受け取ってしまう。

ラスティン「じゃあ、俺はこれくらいで。……───また」
ラン「きゃぁぁっ!?」

花束を握った手の甲にいきなりキスされて、私は思い切り後ずさった。

ラスティン「挨拶だよ、挨拶。じゃぁね」
ラン「挨拶って……!!」

彼は余裕の微笑で私にキスを投げ、軽やかに走り去ってしまう。

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