WORLDCHARACTERGALLERYSYSTEMSOUNDSPECIALINFORMATION
レオン
「空を走る馬車なんて最初はぶったまげたけど、乗ってみると案外いいもんだよな。
でも、こんだけ高いとこ走ってると、怖くなったりしねえ?」
ヴィオレット
「あまり考えたことがなかったわ。こういうものだと思っているからかしら」
レオン
「そっか。案外度胸据わってんだな……」
ヴィオレット
「そう?」
レオン
「単に落ちる可能性を考えてねえだけか?」
ヴィオレット
「そうね……。落ちたことがないから……」
レオン
「…………。……よッと!!」
不意の掛け声と同時に、レオンが大きく身体を傾ける。
その瞬間――
ヴィオレット
「!?」
ガタッと揺れる馬車の中、わたしは思わず傍らのレオンにしがみついていた。
レオン
「何だ、やっぱり怖いもんは怖いんだな」
ヴィオレット
「レ、レオン……、あなた……!」
レオン
「約束は守ってるぜ? 俺から抱きついたり好きだって言ったりはしてねえ。
でも、おまえから来てくれる分には、拒む理由もねえだろ?」
ヴィオレット
「そういう問題じゃないわ!」
レオン
「ハハッ……、怒られんのもいいな。おまえ、もっとそういう顔すりゃいいのに」
ヴィオレット
「……?」
レオン
「俺はもっと、おまえのいろんな顔が見たい。そりゃ、レーヌって立場も大事だろうけど――
ただの女としてのおまえだって、絶対魅力的だと思うからさ」
ヴィオレット
「……わたしは……、レーヌとしての責務を果たすことで頭がいっぱいなの。
それ以外のことを求められても、……困るわ」
レオン
「ああ。だから、そうじゃねえとこは俺が勝手に引き出してやる。今みたいに。
怒る顔、笑う顔、拗ねる顔、照れた顔。全部見て、今よりもっと惚れ込んで――
いつかおまえから許しが出たそのときは、死ぬほど好きだって叫んでやる。
覚悟しとけよ、ヴィオレット!」

©2019 IDEA FACTORY/DESIGN FACTORY

SHARE
LINEで送る