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久世ツグミ
「あ、滉!?」
鴻上滉
「突然ごめん、脇目も振らず読み耽る姿が
可愛いかったから、つい」
久世ツグミ
「!?」
鴻上滉
「なんていうかこう、真剣過ぎて周囲が全く目に入らない感じが」
久世ツグミ
「……そ、そう」

褒められているのだろうか。

それとも彼に気付かなかったことを暗に
責められているのだろうか。

それ以前に、彼はやはり予想外の行動が
多過ぎるのではないだろうか。

鴻上滉
「怒った?」
久世ツグミ
「お、怒っては……ただ、驚いたのよ。
突然……こんな」

慌てて周囲を見渡し、私はやっと気付いた。

図書館の中にはもう私達しか残っていないのだ。

鴻上滉
「なら、予め確認した方が良かった?」
久世ツグミ
「そ、それもどうかと……」

どちらがいいのか、真剣に考えてしまう。

鴻上滉
「じゃあ、確認するよ。もう一回いい?」
久世ツグミ
「……!?」
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