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						- 笹塚 尊
- 「―――今の。送んねえの?」
						- 星野市香
- 「絶対送れません。見られたら何を言われるか……」
						- ――そう、もし笹塚さんがここにいたら、こんな風にからかわれるに決まってる。
						- 笹塚 尊
- 「最後のでいいだろ。ハートマークマシマシで」
						- 星野市香
- 「そんなメール送ったら保存されて、後々までからかわれるに決まってます!」
						- 笹塚 尊
- 「マジか。最低だな笹塚尊」
						- 星野市香
- 「そうです。あの人、時々最低なんです」
						- 星野市香
- 「というか前からですけど、最近ますます私をいじめるのが趣味になりつつあ……」
						- 笹塚 尊
- 「…………」
						- 星野市香
- 「……って……」
						- 笹塚 尊
- 「……なるほど。お前が俺のこと、普段どう思ってんのかよーくわかった」
						- 星野市香
- 「……笹塚さん!?」
						- 笹塚 尊
- 「気付くの遅え」
						- 星野市香
- 「い、いつからそこに……」
						- 笹塚 尊
- 「さっきからずっと。つか、こんだけ近づいて気付かねえとか大問題だろ。俺じゃなかったらどうすんだ」
						- 星野市香
- 「そ、それは……集中していて……」
						- まさに笹塚さんに見られたらこんなことを言われるだろう、とか考えていたから。
 笹塚さんの慣れた気配だからこそ、気付くのが遅れたというか……。
 脳内で言い訳していたら、彼は呆れたようにため息をついた。
						- 笹塚 尊
- 「事件が一段落したからって、平和ボケしてんじゃねえぞ」
						- 笹塚 尊
- 「……いや、むしろ色ボケのほうか?」
						- ぐいっと体を引き寄せられると、彼の熱が直接肌に伝わってくる。
 ボケていたと言われても仕方ない、気付かないのがおかしいほどの至近距離。
 耳元で囁かれて、私はたまらず抗議の声をあげた。