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フラン
「怖がらないで。大丈夫だから」

私の躊躇を察してくれたのか。

フランは静かに自分の手袋を脱ぎ去りつつ、
私の手を優しく引き寄せてみせた。

それから、
そっと彼の滑らかな頬へと導かれる。

肉が焼ける音も匂いもなく。

命を奪う恐ろしい感触もなく。

伝わってくるのはただただ、
愛しい人の温もりだけ……。

フラン
「……ね? なんともないでしょ。
むしろあったかくて、気持ちがいい」
カルディア
「……うん。すごく、ほっとする」

触れられるようになってから、
まだ日は浅い。

だけど彼は素手が落ち着かない私を、
安心させるように……。

事あるごとにこうして、
私に温もりを教えてくれていた。

©2016 IDEA FACTORY/DESIGN FACTORY
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