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背後から抱きしめられて伝わる、
彼の熱と鼓動。

でも。

耳元に触れた彼の吐息は、
甘いというよりどこか苦しげで。

私は照れるよりも先に、
戸惑いの声を漏らしてしまっていた。

カルディア
「ど、どうしたの……突然?」
サン
「…………」
サン
「…………毒が」
カルディア
「え?」
サン
「……もしもこのまま、毒が消えなかったとしたら、あなたはどうしますか?」
カルディア
「どうするって言われても……」
カルディア
「そうならないために、私達はこうして各地を、回っているんでしょう?」
サン
「……そう、ですね。ええ、その通りです」
サン
「オムニブスに提示された条件は、ホロロギウムを無効化すること」
サン
「当然、毒に対応できなければ、その先どうするも何もない……」

無意味な仮定だとわかっていても、
聞かずにはいられないのだ、と。

私を強く抱きしめる彼の腕が、
そう語っている。

©2016 IDEA FACTORY/DESIGN FACTORY
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