テミラーナ国の強運姫と悲運騎士団

ここは身分も職業も全てが生まれた月により決定されてしまう世界。
その東の果てにあるテミラーナ国に、今から15年ほど前、
第三王女として額にアザのある赤子が誕生しました。

その赤子は『呪われた王女』と噂され、
城から離れた屋敷で、
家族とは別々に暮らすことを余儀なくされました――

しかしそんな彼女に、大きな転機がやってきます。

16歳の誕生日を間近に控えたある日。
決闘大会“ヘリス・デュエルム”の会場で、
目が眩むような強い“光”を放つ5人の男性たちを目にしたのです。

——そう、この『呪われた王女』には
特別な強運(ちから)が宿っていました。
自身に命の危機が迫ると、それを避けろと知らせるかのように
物や場所が光って見えるのです。

王女の強運(ちから)を知る周囲の者は、
危険な人物だから光ったのではないかと助言しましたが……
今まで見た“あの光”とは違う。
王女は自分の直感を信じ、
光って見えた者たちを騎士団として招き入れることにしました。

しかし彼らの中には剣術経験がないばかりか、
騎士に興味すらない者もいます。
そんなたった五人の小さな騎士団と共に、
王女はこれから巻き起こる“厄災”を、
乗り越えてゆくことが出来るのでしょうか——?