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ぶつぶつと呟きながら裏庭を歩いてた時だった。

久世ツグミ
「……え!?」

不意に、薄闇に青っぽい炎が見えた気がして躯が竦む。

少し先に目を懲らすと、誰かが何かを燃やしている。
黒っぽい人影は、小柄な男性に思えた。

久世ツグミ
(すぐ側に、焼却炉があるのに……?)

私が不審に思った時だった。

その人影の足下に、鬼火のようにまた炎が灯る。
一つ、また一つ。

久世ツグミ
「きゃ、きゃぁぁ……───!?」
星川翡翠
「……っ!?」

男の子だろうか、女の子だろうか。
夜目にはどちらにも見える。

そうしている間にも、その人の足下の炎は
いよいよ大きく燃え上がり、夜の裏庭を照らす。

まるで、鬼火のようだ。

不思議な色の炎が、彼の周囲で踊る。
得体の知れない───でも
目を離せない美しさがあった。

星川翡翠
「あれ、もしかして貴女……
今日から入った新しい方ですか」

問われて、私はやっと気付いた。

形は少し違うけれど、朱鷺宮さんや尾崎さんのような制服を身につけている。

星川翡翠
「驚かせてしまって申し訳ありませんでした。
僕は星川翡翠と言います。フクロウの一員です」
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