
【6日前/石谷虎之助】
貴方が日新館に通いはじめる日まで、あと六日ですね。
しっかり案内を務めさせていただきますので、
何か不安なことがあれば、ご遠慮なくお申し付けくださいね。
私は貴方より三つ年下です。
まだまだ未熟で、
頼りないと思われてしまうかもしれませんが、それでも――
……っと。
あまり堅苦しい挨拶ではかえって緊張させてしまうでしょうか。
失礼いたしました。
とにかく、少しでも楽しく過ごしていただけるよう、
精一杯準備を進めていますので!
どうぞ気楽にお越しいただけたら嬉しいです。
それでは、六日後。
お会いできるのを楽しみにしています。
しっかり案内を務めさせていただきますので、
何か不安なことがあれば、ご遠慮なくお申し付けくださいね。
私は貴方より三つ年下です。
まだまだ未熟で、
頼りないと思われてしまうかもしれませんが、それでも――
……っと。
あまり堅苦しい挨拶ではかえって緊張させてしまうでしょうか。
失礼いたしました。
とにかく、少しでも楽しく過ごしていただけるよう、
精一杯準備を進めていますので!
どうぞ気楽にお越しいただけたら嬉しいです。
それでは、六日後。
お会いできるのを楽しみにしています。

【5日前/飯山貞吉】
くぁあ……。
貴方に会える日まで、あと五日だそうですね。
さっき虎之助さんに、
『年上の方だから、くれぐれも無礼を働かないように』
って念押しされました。
……ま、覚えてたら気を付けますね。
会えるの楽しみにしてます。
貴方に会える日まで、あと五日だそうですね。
さっき虎之助さんに、
『年上の方だから、くれぐれも無礼を働かないように』
って念押しされました。
……ま、覚えてたら気を付けますね。
会えるの楽しみにしてます。

【4日前/岡本三郎】
四日後、お前と会えるらしいな。
――つか、俺たちは家が隣同士だし毎日会ってるだろ。
改まって会う約束をするのってすげぇ変な感じするんだけど。
はっ!
まさか、うちに毎日来るのをやめて、
四日に一度に減らしたいって遠回しに伝えてきてんのか……?
……違うのかよ。はぁ。
ま、四日後もいつも通りうちに来て、砲術の稽古をして、
美味い飯作ってくれよ。
お前がうちにくるのはいつも楽しみだからな。
飯は美味いし、姉上だって喜ぶし。
……なぁ、お前は楽しみなのかよ。どうなんだ。
――つか、俺たちは家が隣同士だし毎日会ってるだろ。
改まって会う約束をするのってすげぇ変な感じするんだけど。
はっ!
まさか、うちに毎日来るのをやめて、
四日に一度に減らしたいって遠回しに伝えてきてんのか……?
……違うのかよ。はぁ。
ま、四日後もいつも通りうちに来て、砲術の稽古をして、
美味い飯作ってくれよ。
お前がうちにくるのはいつも楽しみだからな。
飯は美味いし、姉上だって喜ぶし。
……なぁ、お前は楽しみなのかよ。どうなんだ。

【3日前/山瀬大蔵】
あと三日。
君と会うのは、実に五年ぶりだね。
最後に見た君はまだあどけなさの残る女の子だったけど、
今はどんな姿に成長しているのかな。
会えるのがとても楽しみだよ。
――あとは、どうせなら他にも何か面白いことがあるといいな。
君と三郎が夫婦になってるとか、
三郎が君にふられて立ち直れなくなっちゃってるとか?
うん、どっちも面白そうだ。
あと三日、待ち遠しいね。
君と会うのは、実に五年ぶりだね。
最後に見た君はまだあどけなさの残る女の子だったけど、
今はどんな姿に成長しているのかな。
会えるのがとても楽しみだよ。
――あとは、どうせなら他にも何か面白いことがあるといいな。
君と三郎が夫婦になってるとか、
三郎が君にふられて立ち直れなくなっちゃってるとか?
うん、どっちも面白そうだ。
あと三日、待ち遠しいね。

【2日前/神崎宗十郎】
二日後、何か重要なことが始まるらしいな。
それが戦なのか、別の何かなのかは定かではないが――
俺が為すべきことは変わらない。
俺は、この刀で仇討ちを遂げてみせる。
その時がくるまで、今は鍛錬あるのみだ。
それが戦なのか、別の何かなのかは定かではないが――
俺が為すべきことは変わらない。
俺は、この刀で仇討ちを遂げてみせる。
その時がくるまで、今は鍛錬あるのみだ。

【1日前/秋月栄次郎】
明日、君と会えるんだね。
――これからの日々は、
若い娘さんが辿るには険しい旅路になるかもしれない。
そうならないよう私も努めるが、
きっと抗えないこともあるのだろう。
どうか、無理はしないでほしい。
……君が幸せになってくれたら、私は嬉しい。
――これからの日々は、
若い娘さんが辿るには険しい旅路になるかもしれない。
そうならないよう私も努めるが、
きっと抗えないこともあるのだろう。
どうか、無理はしないでほしい。
……君が幸せになってくれたら、私は嬉しい。

飯山貞吉
石谷虎之助
飯山貞吉
石谷虎之助
飯山貞吉
石谷虎之助
「なんか、気づいたら今日になってました。
時が経つのを早く感じるなんて……
俺も歳をとったのかな。ね、虎之助さん」
時が経つのを早く感じるなんて……
俺も歳をとったのかな。ね、虎之助さん」
石谷虎之助
「こら貞吉!
寝転がったまま話をするな、だらしがない!
お前も私もまだまだ若輩者だ。
礼儀を大切にしないか」
寝転がったまま話をするな、だらしがない!
お前も私もまだまだ若輩者だ。
礼儀を大切にしないか」
飯山貞吉
「すみません。
実はさっき蕎麦食いすぎたせいで、
動けなくて……うぷっ。」
実はさっき蕎麦食いすぎたせいで、
動けなくて……うぷっ。」
石谷虎之助
「はぁ、まったく……今日は年上の御仁に会う日なんだ。
苦しいのはわかるが、ほら。
肩を貸してやるからしゃんとしろ」
苦しいのはわかるが、ほら。
肩を貸してやるからしゃんとしろ」
飯山貞吉
「……ありがとうございます。
じゃ、お言葉に甘えますね。よいしょ……っと。
あ、すごい。寝てるより楽かも。」
じゃ、お言葉に甘えますね。よいしょ……っと。
あ、すごい。寝てるより楽かも。」
石谷虎之助
「くっ、重い……っ。こら、完全に脱力するな!
少しくらいは遠慮しないか……!」
少しくらいは遠慮しないか……!」
山瀬大蔵
岡本三郎
山瀬大蔵
岡本三郎
山瀬大蔵
岡本三郎
「三郎、ついにこの日がやってきたな。
今日の意気込みを、彼女に伝えてやったらどうだ?」
今日の意気込みを、彼女に伝えてやったらどうだ?」
岡本三郎
「なんだよ意気込みって。
俺は毎日あいつの顔見てんだ。
今更改まって言うようなことはない」
俺は毎日あいつの顔見てんだ。
今更改まって言うようなことはない」
山瀬大蔵
「おーおー。さすが、隣家に住まう幼馴染様は余裕だね。
彼女はこれからたくさんの
『戦友たち』と出会うってのにさ」
彼女はこれからたくさんの
『戦友たち』と出会うってのにさ」
岡本三郎
「……それ、ずっと気になってたんだ。
なんなんだよ、戦友って」
なんなんだよ、戦友って」
山瀬大蔵
「戦友は戦友だろ。戦場で、互いの命を預けあう仲間。
そこにあるのは海よりも深~い絆だ。
ただ長いだけの縁なんて、あっという間に追い抜かれるぞ」
そこにあるのは海よりも深~い絆だ。
ただ長いだけの縁なんて、あっという間に追い抜かれるぞ」
岡本三郎
「お、追い抜かれっ……いや、そもそも、
なんであいつが戦に出る前提なんだよ。
俺は認めない。絶対に認めないからな!」
なんであいつが戦に出る前提なんだよ。
俺は認めない。絶対に認めないからな!」
秋月栄次郎
神崎宗十郎
秋月栄次郎
神崎宗十郎
秋月栄次郎
「あぁ、若者たちは元気が良くて素晴らしいな。
私たちも彼らくらい、賑やかに今日という日を
お祝い出来たら良かったんだが……
歳を取ると、感情の起伏まで少なくなくなってしまうからなぁ。
さみしいね、宗十郎」
私たちも彼らくらい、賑やかに今日という日を
お祝い出来たら良かったんだが……
歳を取ると、感情の起伏まで少なくなくなってしまうからなぁ。
さみしいね、宗十郎」
神崎宗十郎
「……別に、俺もあんたも若い頃からこういう性分だっただろ。
歳は関係ない」
歳は関係ない」
秋月栄次郎
「それもそうか。
私たちはいつもどおり、
ゆっくり盃を交わしながら士気を高めるとしよう」
私たちはいつもどおり、
ゆっくり盃を交わしながら士気を高めるとしよう」
神崎宗十郎
「ああ、それなら付き合う」
秋月栄次郎
「ということで、
『BYAKKO~四神部隊炎恋記』。本日発売。
――君に会えるのを、楽しみにしているよ」
『BYAKKO~四神部隊炎恋記』。本日発売。
――君に会えるのを、楽しみにしているよ」