南郷 久史松原 銀之助守田 楓花咲村 賢中井 徳治郎その他
中井徳治郎 「……おいっ、危ない!」
主人公 「きゃっ!?」
中井徳治郎 「何をぼーっとしているんだ?
俥にぶつかるじゃないか」
主人公 「ご、ごめんなさい! ……あっ、徳さん!」
中井徳治郎 「たまたま俺が見付けたから良かったようなものの……
ちゃんと前を見て歩かないとだめだぞ」
中井徳治郎 「ここからその料理旅館までは少しあるな……せっかくだから乗っていくか?」
主人公 「はい、お願いします!」
中井徳治郎 「そこに足を掛けて乗ってくれ。荷物は膝の上に乗せておくといい。大事な物だからな」
主人公 「はい! よいしょ……っと。支度出来ました」
中井徳治郎 「では……行くぞ!」
主人公 「うわっ、と……速いですね! 歩くより速くて快適……!」
中井徳治郎 「ははは、そりゃそうさ。俥に乗るのは初めてか?」
主人公 「……徳さん、一人や二人、成敗したって、帝都は何も変わりませんよね」
中井徳治郎 「……そうだな」
主人公 「帝都を良くしたいとか、町を良くしたいとか……そんなんじゃないんです。何も変わらなければ無視すればいいはずです。なのに……」
中井徳治郎 「無視出来ない、だろう? お前の父親もそうだったな」
主人公 「そうなんですか……?」
中井徳治郎 「ああ。損得で動く人ではなかったな。出来れば全員救いたかったが選別するしかなく、それを嘆いておられた」