???
「随分、熱心だな」
その声に、ジャックが素早く前に出て、
声の主を睨みつける。

声のした方を見ると、フードを被った人物が
木の側にもたれかかりながら、
じっと見つめていた。
ジャック
「皆さん、下がってください!」
ネロ
「……誰だ、お前」
ジャックとトランプ兵が、レインたちを
庇うように、その人物の前に立ちはだかる。
???
「そんなに警戒しなくてもいい。
あなたたちを害するつもりで
声をかけたのではないのだから」
ネロ
「何を言ってるんだ。
いきなり現れた不審人物を警戒するなって、
そんなの無理に決まってるだろ」
ジョーカー
「私の名はジョーカーという。
真剣なあなたたちの様子を見て、
何か助言ができればと思っただけだ」
スノウ
「助言……?
何か、知っているような口ぶりですね」
ジョーカー
「ふふ、それはどうかな」
ジョーカー
「あなたたちより私のほうが物知りだという
可能性はあるけれど、あなたたちが望むような
情報を私が提供できるかはわからない」
ジョーカー
「詳しい話を聞かないことには、ね」
ミネット
「僕たちを探りにきたってわけ?
ますます怪しいよね。君は一体何者なの?」
ジョーカー
「Curiosity killed the cat」
ジョーカー
「名ならさっき名乗ったよ、疑り深いチェシャ猫。
言葉選びは慎重に。私はこのまま立ち去っても
構わないのだから」
ミネット
「……っ」