トップ世界観キャラクターギャラリーシステムサウンドスペシャル

  • ルナ

    「どうして、離れないのよ。噛みつかれたいわけ?」

  • 離れて欲しい。離れないで欲しい。
    血が欲しい。血が欲しくない。
    相反する想いにかき乱されていく。

    苛立って睨みつけると、不意にジャックはふわりと微笑んだ。
  • ジャック

    「……あなたが、そう望まれるなら」

  • まるで、春の日差しのようだった。
    初めて見たジャックの柔らかい笑顔に、ぎりぎりで耐えていた理性が瓦解する。
  • ルナ

    (……バカ。なんでこんな時に笑うのよ……)

  • もう、堪えられなかった。
    吸い寄せられるように、ジャックにしがみつく。
    そして――
  • ジャック

    「あ……」

  • 噛み付くと、濃厚な甘い香りが体に流れ込んできた。
  • ルナ

    「ん……」

  • 熱い。
    甘い。
    ――美味しい。

    飢餓感がすっと消えて体が楽になるのが分かった。
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