8月1日、奥音里。そして止まっていた時間が動き出す。

奥音里禁忌倶楽部の管理人の呼びかけで、オフ会が開催されることになった。
そこに参加するため、イチコとヒノは奥音里に降り立つ。

宿泊するホテル、風厘館に早めに着いたふたりは、荷物を預けて町を散策することに。

懐かしさを感じさせる町の目抜き通りには、由緒ある老舗のおみやげ屋から、最近できたモダンなカフェまで多彩な店が立ち並ぶ。
その至るところに、あるポスターが貼られているのに気がつく。
それは、最近解散を発表した国民的アイドルグループのセンター「エイト」がこの奥音里で、住民限定のシークレットライブを開催するというものだった。
日付は8月8日、午後6時半。場所は奥音中学校の体育館。
なぜこんな田舎町で…?


その夜、風厘館に併設する「風厘カフェ」で、遂に奥音里禁忌倶楽部のオフ会が開かれる。集まったメンバーは…

花蒔イチコ
迦具土ヒノ20歳、イチコの幼馴染。
甘梨イソラ17歳なのに、この風厘カフェのシェフだという。
櫛奈雫トア20歳のネコ好きオタク青年、自称フリーター。
建比良ソウスケ24歳、医大に通うエリート。本屋でイチコと遭遇している。
須沙野ユア20歳、風厘館の女性スタッフ。イチコと同い年で仲良しに。
月読カグラ28歳、たまたま風厘館に泊まっていた風来坊のカメラマン。
比良坂ユキ町の伝承に詳しい天才中学一年生。なぜか風厘館で働いている。

自己紹介も終え、徐々に打ち解けるメンバーたち。
奥音里に伝わる「屍者伝説」の話でひとしきり盛り上がる。

しかし、いつまで経ってもサイトの管理人は現れない…。

そこへ、風厘館に泊まっている自称作家、烏丸チカゲが通りかかる。
「まったく、学生ってのはいい気なもんだな。
おまえらみたいにチンタラ生きてるやつらを見てると、吐き気がしてくる」

冷たい言葉を残して去っていく。

奇妙な余韻を残したまま、夜は更けていく。