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ユリウスユリウスノエルノエルビラールビラールラギラギアルバロアルバロエストエスト

ノエル「ああ何度でも言ってやるさ! この、鳥頭のパルムオクルスめ!」

パルムオクルス「クルックークルックー」

ルル「ほ、ほんとに鳥……!?」

私が階段を上った先のブースでは、イヴァン先生の杖に乗っていた鳥と、金髪の男の子が火花を散らしていた。

ノエル「おのれパルー……!
僕のような優秀な生徒に本を渡さないとは、図書館の主が聞いて呆れるぞ!」

ノエル「才能豊かな人間を馬鹿にする前に、このポンコツシステムをなんとかしろ!」

パルムオクルス「……アホー」

ノエル「は、鼻で笑ったな貴様!鳥の分際でこの僕を馬鹿にするとはいい度胸じゃないか……」

ノエル「貴様にイヴァン先生の後ろ盾があるからといって調子に乗るなよ!」

パルムオクルス「アホー」

ノエル「ま、まだ言うかこの鳥!」

パルムオクルス「ギャー! ギャギャー!」

ノエル「やかましい! 大体この検索システムは以前からおかしいと思っていたんだ!」

ノエル「そもそも僕が探している本はだな、つい先日ユリウスが借りていたものだ!」

ノエル「あいつが借りられたものを、何故僕には貸さないというんだ!?」

パルムオクルス「クワ、クワッ!」

ノエル「贔屓か? 贔屓なんだな!? それとも僕への嫌がらせかー!」

パルムオクルス「アホー!」

……………………。

ルル「!!!」

大人げなさすぎるケンカを前にして、すっかり呆然としちゃってたけれど、さすがにこのままじゃ問題だよね!

えーと……

ルル「すいませーん!」

ノエル「だから貴様は!貴様という奴はー!」

パルムオクルス「アホーアホー」

ルル「……………………」

……聞こえてないのかな?

ルル「あの、すいませんっ!!本の探し方を教えてくれませんかっ!?」

ノエル「――なんなんだ、一体!」

ルル「きゃっ!?」

ノエル「僕はとんでもなく忙しいんだ、余計な口を挟まないでくれ!」

男の子は怒鳴りながら振り返ると、私を見て意外そうに目を見開いた。

ノエル「……む。見知らぬ少女に怒鳴るなど、あまり紳士的な態度ではなかったな」

ルル「え、えーと……」

ノエル「……すまなかったな、君。もちろん僕は冷静そのものなんだが、この馬鹿鳥が騒がしくてな……」

特にヒートアップしてたのは、彼の方だった気がするんだけど、蒸し返すのはきっと危険よね。

とりあえず静かになったんだし、ちょっとホッとしちゃったかも。

ノエル「あー、ごほん。ところで君は僕に何か?」

彼は切れ長の鋭い瞳で私を見た。
金髪をかき上げている仕草が、なんだかすごく特徴的かも。

ノエル「見たことのない顔だが……。僕のサインでもほしいのか?」

ルル「サイン?」

ノエル「気持ちはわからなくもないが、ファン全員にサービスしていると、僕の身が持たないからな……」

ルル「えーと……」

さっきまでの怒鳴っていた様子と今の雰囲気はちょっと違うから、なんとなく戸惑っちゃうかも。

ルル「あのね。私、このメモに書かれている本を探してるの」

ノエル「どれどれ。……ああ、この本ならこの役立たずな検索システムに頼るまでもなく見つけられるな」

ノエル「もし君がどうしてもと言うなら、僕が案内してやってもいいぞ?」

ルル「わあっ、ほんと?そうしてくれるとすごく助かるわ!」

ルル「それで、えーと……」

ノエル「ああ、僕の名はノエルという。覚えておいて損はないぞ」

ノエル「それどころか将来的には、僕に図書館で助けてもらったのだと、君はみんなに自慢できることだろう」

ルル「そうなの?」

ノエル「ああ。僕はいずれ遠くない未来、世界一の魔法士になる男だからな!」

ルル「世界一の……?あ、私はルルっていうの。どうぞよろしくねっ!」

パルーと本気でケンカしちゃうとか、なんとなく不思議な感じだけど、ノエルって親切でいい人ね!

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