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ギャラリー

桜太郎
「あっ、ちょっと待って!」
紗乃
「っ……!?」
なんと桜太郎が、私の手を思いっきり引いてきたではないか。

それだけならまだしも、そのまますっぽりと横抱きにされてしまって……。
紗乃
(えっ……!? な、何……!?)
突然そんな風に抱き締められて、動揺しないわけがなかった。

明らかに、自分とは違う体温に包まれている。
恥ずかしさのあまり、私は桜太郎の顔を見上げることすらできなかった。
紗乃
「お、桜太郎。これは――」
桜太郎
「こら、人がいるのに走っちゃ駄目だろ!」
紗乃
「!?」
見当違いの方向に投げかけられた声に、緊張が一気に吹き飛んでしまう。