ジョナスさんの手にあったのは、
彼が手をかけて育てた1本のバラ。
ベルベットのカーテンのように
美しく鮮やかな色をしたそのバラに
私は驚き目を白黒させてしまう。
場を和ませる冗談なんだろうか。
一瞬そう思ってしまった私に対し、
ジョナスさんは真剣な顔で言う。
ジョナスさんの言葉に、
私は恐る恐るバラへと手を伸ばす。
月明かりの下で鈍く光る灰色が、
どうしてかひどく温かい色に見えた。