ジョナス
「花占いでも、してみるか?」

ジョナスさんの手にあったのは、
彼が手をかけて育てた1本のバラ。

ベルベットのカーテンのように
美しく鮮やかな色をしたそのバラに
私は驚き目を白黒させてしまう。

サラ(主人公)
「は、花占い……?」
ジョナス
「知らないのか?
花弁を一枚ずつ取ってだな」
サラ(主人公)
「それは知ってますけど……」

場を和ませる冗談なんだろうか。

一瞬そう思ってしまった私に対し、
ジョナスさんは真剣な顔で言う。

ジョナス
「俺はおまえではない。
だから悩みに答えは出せないが……」
ジョナス
「もしもおまえがこの地に残るなら、
このバラに賭けて誓おう」
ジョナス
「この地の守護役である俺がいる限り、
おまえを不幸にはさせない、と」

ジョナスさんの言葉に、
私は恐る恐るバラへと手を伸ばす。

月明かりの下で鈍く光る灰色が、
どうしてかひどく温かい色に見えた。

ジョナス
「棘はないと思うが、気をつけろ。
うっかり血でも滴らせようものなら、
大変なことになるからな」