それは幻のような風景だった。

あくまで平面の存在に過ぎない影が、
ゆっくりと泥のように盛り上がり――。

やがて人の形となって次々と姿を現す。

ラファさんはそんな黒い影に対し、
親しみのこもった声で言葉をかけた。

ラファエル
「――さあ行こう、皆。
彼女を守ってあげて」
ジョナス
「……久々に見たな。
ラファが【クドラク】を出すのを」
サラ(主人公)
「クドラク……?」
ジョナス
「ああ。ラファの裡に潜む影の戦士たち。
それが、この黒い影――クドラクだ」
ラファエル
「そう、クドラクは僕の一部。
僕の影。僕の仲間。僕の家族」
ラファエル
「そして――僕達クドラクはひとつ」
ラファエル
「だから僕達は君を傷つけない。
裏切らないから、安心していいよ」
サラ(主人公)
「…………」

いったいどれほどの深い繋がりがあるのか。

ラファさんの表情や言葉から、
彼がこのクドラクたちに全幅の信頼を
置いているのが、伝わってくる。

???
「……なんとも妙な術を使いやがる。
やはり鬼ってのは得体が知れねえな」

男は舌打ちと共に、
再び刀に手をかけたものの……。