……落ち着かない……!
ソファで丸くなったアンを横目に、
私はマエルさんを見やる。
私が来たことにまったく気づかず、
幸せそうに眠りこけているマエルさん。
吸血鬼は墓地の棺桶で眠るもの、
なんて言い出したのはどこの誰だろう。
無防備な寝顔が幼く見えるせいか……。
まるで今の彼は公園で居眠りをする、
街の少年のようにも見える。
普段はそれほどじっと見たりできないし、
今がある意味でチャンスかもしれない。
などと……彼が寝ているのをいいことに
考えてしまう。
私が見つめていたところで、
突然、彼が身じろぎをする。
固まってしまう私に気付かないまま、
彼は手を雑に振った。
と、私がアンを抱え上げようと、
手を伸ばしかける、と。
突然マエルさんの手が伸びてきて、
私の髪にふわりと触れる。