ザビーネさんの剣を受け止めたのは、
長い髪をなびかせたひとりの男性。

ザビーネ
「奇跡、ですか。
そんな言葉で片づけられるほど、
軽い一撃ではなかったつもりですが」

警戒心も露わに睨むザビーネさんに対し、
現れた男性は手で背後に合図を送る。

???
「……さあ、今のうちに行きなさい。
脱走と命令違反の件については後程
問い質しましょう」
???
「……し、しかし……」
???
「無駄に命を散らすことは許しません。
我らの命は偉大なる人民の皇帝のために
あるのですから」
???
「……承知致しました」

彼の言葉を聞いた吸血鬼の男は、
そのまま闇の中へ走り去っていく。

それを静かに見やったザビーネさんは、
目の前に残った男性を睨み付けた。

ザビーネ
「ずいぶんと部下思いなのですね。
フランス軍の軍人は」
サラ(主人公)
「え……フランス……?」
???
「ほう。何故我々がフランス軍だと?」
ザビーネ
「何故も何も。皇帝は複数いても、
【人民の皇帝】などと呼ばれるのは
フランス皇帝ナポレオンただひとり」
ザビーネ
「何よりその軍服を見れば一目瞭然です。
その恰好で誤魔化しきれるとでも?」