柔らかい唇が私の肌に触れる。
吸血鬼であるマエルさんに、
自分の意志で血を捧げるなんて――。
修道院にいた頃の私だったら、
想像すらしなかったことだった。
すぐに牙を立てられることはなく、
優しく肌を辿られる。
うなじに触れる息遣いのくすぐったさに、
思わず声が漏れてしまう。
やがて肌に鋭い痛みが走り、
牙を立てられていることを悟る。
全身の血が引くような感覚と共に
押し寄せてくるのは、独特の陶酔感。
私は、マエルさんに――大切な方に、
血を啜られている。
肌に口付けされている。
恥ずかしさと、かつて味わったことがない
感覚に翻弄されながら――。
私はマエルさんの行為を
受け入れたのだった。