サラ(主人公)
「あ…………」

柔らかい唇が私の肌に触れる。

吸血鬼であるマエルさんに、
自分の意志で血を捧げるなんて――。

修道院にいた頃の私だったら、
想像すらしなかったことだった。

マエル
「……痛むようだったら、言えよ」
サラ(主人公)
「大丈夫……です……」

すぐに牙を立てられることはなく、
優しく肌を辿られる。

サラ(主人公)
「んっ…………」

うなじに触れる息遣いのくすぐったさに、
思わず声が漏れてしまう。

やがて肌に鋭い痛みが走り、
牙を立てられていることを悟る。

マエル
「……ああ……やっぱり……」
マエル
「やっぱり……【そう】なんだな……」

全身の血が引くような感覚と共に
押し寄せてくるのは、独特の陶酔感。

私は、マエルさんに――大切な方に、
血を啜られている。

肌に口付けされている。

恥ずかしさと、かつて味わったことがない
感覚に翻弄されながら――。

私はマエルさんの行為を
受け入れたのだった。