一瞬だった。

剣先と剣先が交差したかと思うと、
すれ違ったお互いの刀身から火花が爆ぜる。

そして次の瞬間ふたりは、
互いの位置を入れ替えたかのように
剣を突き出したまま止まっていた。

???
「……有り得ねえ……」

彼は唇を震わせ、怒りに満ちた瞳で
虚空を睨みつけている。

???
「俺の突きがかわされるなんざ、
絶対に有り得ねえ……!」
???
「その技を……いや、
その構えをどうやって覚えやがった!」
ジョナス
「何を驚いているのか知らないが……。
俺も、正直に言って驚かされたぞ」
ジョナス
「まさか人間にこの一撃をしのがれるとは。
……吸血鬼になって、初めての経験だ」

互いに完全には避けられなかったのか。

ふたりの髪がそれぞれ数本断ち切られて、
はらりと落ち……。

それを見つめていたジョナスさんは、
何かが腑に落ちた様子で目を細める。

ジョナス
「……その剣技には覚えがある。
ずっと、ずっと昔の話だ」
ジョナス
「だとしたらおまえは……。
【あいつ】に縁のある者なのか?」
???
「……なに? あいつ、だと?」