全国の玉依姫様、こんにちは。
司会進行役の凛です。
同じくケテルだ。
……このコーナーもこれで2回目か。
はい。まだ不慣れな点も多いかと思いますが、
ケテル様、どうぞよろしくお願いします。
ああ。では、早速ゲストを呼ぼう。
今回のゲストは――祐一だ。
……ここに呼ばれたということは、
おまえたちの出す質問に答えればいいんだな。
そうだ。鬼崎と違って祐一は話が早いな。
これならすんなりと進みそうだ。
そうか。
ああ。
…………
…………
そ、それでは最初の質問です!
守護者の中で自分のポジションをお答え頂けますか?
そうだな……
俺自身はそういうものにこだわったことはないのだが、
先日大蛇さんに呼び出された際に、
次代の守護者の代表は俺しかいないと言われたな。
その時、大蛇さんから一筆もらった。
それが、これだ
(ピラッ)
ふむ。
【狐邑君に次代の守護者の代表をお任せします。
そして玉依姫を真に任せられるのは彼しかいないとも思っています。
どうかみなさん、狐邑君の言うことを聞いて、
決して逆らわないようにしてくださいね】
あの、ケテル様。
僕の目には、新聞紙の文字を切り抜いて貼り付けたように見えるのですが……
案ずるな、凛。私の目にもそう見える。
祐一よ。なぜ卓はこのように奇怪な紙をおまえに渡したのだ?
簡単なことだ。
さすがに大蛇さんの筆跡を真似ることはできないからな。
そのため、こういう形になった。
……そ、それは一筆もらったと言わないのではないでしょうか?
気付かれなければ問題ない。
恐らく、鬼崎と鴉取以外は気付くと思うが。
む、それもそうだな。
次はもっと精巧なものを用意することにしよう。
そういう問題なのでしょうか……?
凛、深く気にしてはいけない。
時間も押していることだ。次の質問に移ろう。
はっ、はい! えっと、守護者のみなさまのことを
どう思っていらっしゃるのか、お答え頂けますか?
みんなとは兄弟同然に育ったからな。
大蛇さんは大人気ない兄、
他は手の焼ける弟たちだと思っている。
祐一様はみなさまのことを大切に思っていらっしゃるのですね
そうだな。祐一は普段、あまり表情に変化がない。
だが、みんなのことを話している時はとても優しい眼差しをしている。
……俺はひとりを好む傾向があるが、みんなといるのは苦痛ではない。
むしろ心地良いとすら感じられる。
だから、おまえたちの言う通りなのだろう。
はい! 祐一様の言葉から、相手のことをとても信頼しているのが伝わってきます。
それは、とても素晴らしいことだと思います!
僕も祐一様から信頼される仲間になるため、頑張ります!
それは違う。凛、ケテル。
おまえたちも……俺たちの仲間だ。
! ……ありがとうございます!
すごくうれしいです!
仲間、か。……いい響きだな。
この雰囲気を保ったまま、次の質問に移ろう。
祐一は手先が器用というイメージがあるが、
実際のところはどうなんだ?
口で言うより、実際に見てもらうのが早いだろう。
ここに編み物道具がある。
(スチャッ)
これをこうして――
(ババババ)
す、すごいです!
あまりの速さに針が消えてみえます……!
……完成だ。
これは……、ざっと1分もかかっていないな。
凛。手乗りサイズのオサキ狐人形だ。
わあ……!
クリスタルガイ様そっくりです!
これくらい容易いことだ。
ぼ、僕にはとても真似できません……!
大丈夫だ。
おまえならいつかできる。
は、はい……!
僕、頑張りますね!
きれいに話がまとまったところで、最後の質問に移ろう。
玉依姫に向けて祐一から一言もらいたい。
早くおまえに会いたくて仕方がない。
……願わくは、おまえも俺と同じ気持ちでいると嬉しいのだが。
祐一様、ありがとうございます!
これですべての質問が終了したな。
次回のゲストは……鴉取か。
はい。ケテル様、次回もよろしくお願いしますね。
ああ。
ではでは、全国の玉依姫様。
司会の凛と――
ケテルでお送りした。
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