祈り終えた私は、ちらりと隣を覗き見る。
オルロック
「…………」
色素の薄い髪が、薔薇窓から差し込む夕陽に照らされて、きらきらと輝いている。
まるで宗教画のように静謐な横顔。
リリアーナ
「…………」
ふと、彼が組んだ手に視線が向く。
右の手首――手袋と服との隙間から肌の色とは少し異なるものが覗いている。