彼の制服を整え、顔を上げると──
不意打ちで唇を重ねられ、目を閉じる暇もなかった。
再び優しく口付けられ、その首に腕を絡める。
彼は私を愛してくれている。
共に夜を過ごす度に、こうして口付けられる度に、
私の髪は彼の色に染まる。
でも──
彼はこれからクナドへ、私は手紙の集荷へ向かう。
でも、こんなふうに囁かれたら一瞬
仕事を放り出してしまいたくなる。
愛した人と唇を重ねるのは、
どうしてこんなにも幸せなのだろう。