玄葉が先に馬車から降りると、
広場に拍手が広がった。
みんなの顔に、不安の色はもうない。
たった半年──その短くも長い間に、
彼がどれほどひたむきに【黄】を案じたか。
彼等はそれを見ていたのだから。
割れんばかりの拍手と、祝福の声。
嬉しいけれど、これはちょっと恥ずかしい。
でも──今日、私は確かに彼と結ばれるのだ。
玄葉の力強い腕を感じて、
密かに私は焦っていた。
彼の色に染まった私は──彼にしか見せたくない。
こっそり尋ねると──
言葉通り、彼は私を抱えたまま歩き出してしまった。
私は何て──何て、幸福なんだろう。