身支度と簡単な朝食を済ませると私たちは宿の外に出た。

村の近くの森の中、そこに拓けた場所を見つけ私とジョンは立ち止まる。

ジョン

「それじゃ、簡単におさらいするか」

ジョン

「さすがに刃物を振り回すわけにはいかないから得物を使うのはなしだ」

ジョン

「俺は反撃しないから、お嬢から打って来いよ」

ローズ

「……わかったわ」

一度距離を取って向かい合うと、ひとつ息を吐く。
気持ちを整えたところで、いっきにジョンとの間合いを詰めた。

ローズ

「はっ！」

ジョン

「……」

まずは真っ直ぐに突きを入れてみるがこれはあっさり避けられてしまう。

ローズ

「ふっ！」

それでも諦めずに何発か突きを繰り出していると――

ジョン

「……単調だな。ここからどうするつもりだ？」

攻撃を避けながら冷静に問いかけてくるジョンへ私は不敵な笑みを返した。

ローズ

「もちろん、これは前振りよ」

ローズ

「ここからが本番――！」

いままでの動きから少しだけリズムを変えると突きから足技に切り替える。