エドワード
「こうやって寝転がると、風が気持ちいいんだ」
エドワード
「ほら、君もやってごらん」
ローズ
「……はい、では失礼します」
ローズ
(こんなふうに地面に寝転がるのは子供の時以来だわ)
少し気恥ずかしかったけれど、エドワードと並んで横になると本当に気持ちの良い風が私の頬を撫でた。
ローズ・エドワード
「…………」
ふたり無言のまま、風と草の鳴る音だけがする。

しばらくして、エドワードがゆっくりと口を開いた。
エドワード
「……私がここに来た理由は――まあ言わなくてもわかるだろうね。
君には一部始終を見られてしまったから」
エドワード
「ああいった諍いは初めてじゃない。
いつの頃からか、会う度にお互いの意見がぶつかってしまうようになった」
エドワード
「もうずっとだ、慣れたというのもおかしいけれど。
……でも、だからといって、まったく堪えないというわけじゃないよ」
エドワード
「肉親と言い争うのは、やはり辛い……」
お互いに空を見つめながら話しているからこそエドワードは本音を零せているのかもしれなかった。

そして私も――
エドワードの顔を見ずに済むいまだからずっと心にしまっていたことを尋ねてみる。