アルフレッド
「……こんなところで何をしているんだ」
エドワード
「私たちの説明をする前に……、ルーカスさん、逃亡しようとしていたんですか?」
ローズ
(逃亡……)
アルフレッド
「ああ。ちょうど私が戻って来た時に、御者へ自分の邸まで馬車を走らせるように頼んでいる様子だった」
アルフレッド
「朝ならともかく、もうすぐ日も暮れる。
これは今日中に戻るつもりがなさそうだと判断して連れ戻した」
エドワード
「それは……さすがに困りますね。
これから会議を再開するのでいてもらわなければ」
ルーカス
「……ふん。小姑かお前らは」
アルフレッド
「聞こえているぞ。
それで、そちらは何があったんだ?」
ライナス
「えーっと、アスコットさんが俺と彼女の仲を疑ってそれを否定したら、今度はエドと彼女の仲を疑って。
結果、アスコットさんがエドから怒られてます」
ローズ
(……これは巻き込まれ損な気がしてきた)
心の中で無の境地に至りながら顔には出さない。
そんな私に誰も気づく様子もなく話は進む。
アスコット
「うーん、間違ってないけど私の聞こえが著しく悪いなあ」