おろおろしながら、
そのまま身動きが取れずにいると――
凜とした声が聞こえたかと思うと、
揉める彼らの合間を縫って、
もうひとりの男性が顔を覗かせた。
周囲を囲む男性たちとは正反対の、
優しく穏やかな印象の人。
彼は身をかがめると、こちらに手を差し出した。
苦笑しながら私の手を取り、
立ち上がるのを手伝ってくれる。
その穏やかな声音と優しい笑顔には、
なんだか覚えがあった。