理都は逡巡していたものの、
やがて観念したように息を吐く。
そして、私に背を向けた状態で
地面に膝をついた。
一瞬意味が分からず首を傾げたものの、
すぐにハッとする。
嬉しくなって背中に勢いよく抱き着くと、
その拍子に理都の身体がぐらつく。
けれど、倒れることなく
しっかりと受け止めてくれた。
呆れた様子の理都に返事をして間もなく、
目線が高くなった。
理都は私を背中に乗せて、
静かな夜道をゆっくりと歩き出す。
見慣れた景色のはずなのに、
理都と同じ目線で見ているからか
いつもと印象が違っていた。
反論のしようもなくうなだれていると、
理都が歩みを止めて私の身体を抱え直す。
言われたとおり、
理都の首にぎゅっと腕を回す。
だいぶ蒸し暑いのに、
密着するのが全然嫌じゃなかった。
昔の記憶をたどって言ったはずなのに、
あっさり否定されてしまった。