露木 紗世
「私……叶多くんが、好き」
露木 紗世
「叶多くんと……番になりたい。
だから……」
瀬尾 叶多
「っ……!」

苦しげに息をつめながら、
叶多くんは戸惑うように視線を彷徨わせた。

その間にも身体の熱は増して、
彼が欲しいという欲で頭がいっぱいになっていく。

露木 紗世
(……でも、変なこと言ってないよね?)
露木 紗世
(叶多くんだって、そのつもりで私と……)

腕から伝わる体温だけじゃなく、
もっと叶多くんを感じたい。
今すぐ押し倒してしまいたい。

その衝動を必死に抑えながら、
彼の言葉を待つ。

瀬尾 叶多
「……分かった。
紗世が、そうしたいなら」

理性を繋ぎながらなんとか頷きを返せば、
そのままぎゅっと抱きしめられる。

瀬尾 叶多
「紗世……」

名前を呼ばれると同時に、
叶多くんの指先がチョーカーに触れた。

彼の意図を察して、
そのまま指紋認証でチョーカーのロックを外す。

――あとは、結んであるリボンを解くだけ。

瀬尾 叶多
「っ……」

叶多くんはチョーカーを解きながら、
首筋からうなじにかけて唇を滑らせていく。

露木 紗世
「あ……っ」

もどかしいくらいの感触に、
大げさなほど肩が跳ねてしまう。

瀬尾 叶多
「…………」

ひどく優しく、どこか躊躇うように、
叶多くんは首筋にキスを落とす。

やがて、消え入りそうな声で呟いた。

瀬尾 叶多
「……怖い、かも」
露木 紗世
「怖い……?」

よく分からないまま
叶多くんが言った言葉を繰り返せば、
私を抱きしめる力が強くなる。

瀬尾 叶多
「…………」

切羽詰まったような
叶多くんの吐息が首筋に触れる。

けれどそれは、
熱に浮かされているのが
原因ではない気がした。

瀬尾 叶多
「……ごめんね、紗世」
露木 紗世
「え……?」

叶多くんの口から絞り出されたその声は、
ひどく震えていた。

けれど、疑問に思う間もなく――

瀬尾 叶多
「ん……っ」
露木 紗世
「っ……!」

ふたりの熱が近付いて、
そのまま重なり合っていく。