2014年2月18日
【特典紹介】特別小冊子の企画会議!
CATEGORY|特典紹介

- なぁ蘇双……。これ本当にやらなきゃダメなのか……?

- 諦めなよ関定。これも仕事なんだから

- それはわかってるけど! オレ、緊張で全部の歯が抜け落ちそうだ……

- 全部の歯が? 重湯しか食べられない体になるね

- 蘇双。オレ、米はちゃんと噛みたいんだ。やっぱりやめてもいい……?

- 大丈夫。くず湯もいけるから

- きー! この鬼嫁!

- 馬鹿なこと言ってないで早くはじめてよ

- わかったよ……。よ、よし、いくぞ……!

- じゃん! 『十三支演義 偃月三国伝2』限定版小冊子企画!
本当? ウソ!? あの噂の真相はいかに!?

- はい、拍手~! いえ~い!

- …………

- …………

- 何この温度差!? 心の気圧配置おかしくない!?

- もう関定、何ふざけてるのさ

- ちょ! 蘇双、やっぱこの面子でこの企画は無理だって!

- そんなこと言っても、ボクたちの仕事でしょ。ちゃんと進めないと

- …………

- やだ! あの子めっちゃ睨んでる!
目で殺すって言ってる! 二度殺すって言ってるから!

- 一度じゃ気がすまないんだね

- 関定いったいどうしたの? こんなところに僕たちを集めて

- その限定版小冊子企画というものをやるのか?

- 劉備様! 趙雲! そうなんです。
色々な噂についてみんなに話を聞こうっていう企画なんですけど……

- みんなってのはオレたちだけじゃなくて曹操とか夏侯惇たちもなんだな

- ふふ、私も呼ばれました

- オレもな

- 張遼に周瑜まで。呼ばれたのは全部で八人ということか

- そんなことのためにわざわざ呼び出したのか。
私も暇ではない。戻るぞ、夏侯惇

- はっ!

- わー! ちょっと待ってー! これが終わったら宴を用意してますから!
だから帰るなんて言わないで!

- 宴だと? ふん、そんなものに興味はない

- 関羽が今、宴のために一生懸命料理作ってるよ

- わかった、いいだろう

- 曹操様!?(早っ!)

- 何をぼやぼやしている。さっさと進めろ。そして早く宴を始めるのだ!

- 本気すぎて引く

- へぇ、アイツの手料理か。そいつは楽しみだな

- 宴が始まれば、関羽さんにもお会い出来るのですね

- お、蘇双、なんとかみんな協力してくれそうだな

- うん、よかったね

- 悪いが私は失礼する

- おいー! オマエは同じ劉備軍だろ! ちょっとはオレたちに協力しろよ!

- ふん、下らぬ企画に付き合う義理はない

- 諸葛亮、僕からもお願いするよ。関定たちに協力してあげ……

- わかりました、劉備様

- 食い気味で快諾した!

- ふん、不本意だがこれも劉備様のご希望だ。協力してやるから滞りなく進めろ

- きー! もう、なんなのコイツら!

- まぁ、これで進行出来るんだ。よかったじゃないか。
それで、具体的には何をするんだ?

- うん。企画を進めるにあたってみんなの匿名を決めたいんだ

- 匿名、ですか?

- そう。今回色々と答えにくい質問もあるから匿名制でいこうと思ってるんだ

- その匿名っていうのは、具体的にはどういうものなの?

- そうですね、例えば劉備様だったら“銀髪の貴公子”とか、“偃月の君”とか

- “偃月の君”でいきましょう

- なんだか少し恥ずかしいな……

- なるほど、その人を表すような別名をつけるのですね

- じゃあ、オレは“水上の美丈夫”だな

- ……

- ……

- まさかの無言!? オマエら今まで散々しゃべってただろ!
なんで急に無反応なんだよ!

- じゃあ次は張飛ね

- あげく無視!?

- おーオレ? そりゃやっぱり“漢の中の漢”とかだろ!

- 却下。張飛はやっぱり“馬鹿な子”でしょ

- それ悪口! とても直球な悪意だから!

- はい、次は趙雲ね

- 推進力がスゴい! ちっとも振り向いてくれない!

- 蘇双、容赦ない子!

- 俺は何になるんだ?

- うーん、趙雲はなんだろう? 頼れる的な。守ってくれる的な……

- “もし遭難したら絶対についていきたい人”とか?

- なんだその無駄に長い匿名は。もっと簡潔にまとめろ

- えー、簡潔に? すごく頼れて、守ってくれて、懐が広くて
うーん、なんていえばいいんだ。うーん……

- “養父”?

- なんだそれは!

- あ、わかる。ボク趙雲にだったら育てられたい

- はは、機会があったらな

- 機会があれば育てる気なのか!?

- まったく何をぐだぐだと。夏侯惇、お前もいちいち奴らの戯言に構うな

- は、はい! 申し訳ありませんでした!

- いいか、関定に蘇双。こんな茶番は一刻も早く終わらせろ。
匿名など次々決めてゆけ

- わ、わかったよ。ったく文句が多い奴らだな。
じゃあ蘇双、こっからはオレたちの直感でさくさくつけていくぞ

- いいよ。じゃあ、曹操は“変態君主”で夏侯惇は“その犬”ね

- ちょっと待てーー!!

- 何? 次々決めろって言ったのあんたんとこの君主だけど?

- だからといって、変態だとか犬だとか、俺たちを愚弄する気か!

- 待て夏侯惇、匿名など何の意味もなさない。
如何なるものをつけられようと私は問題ない。
それより問題なのは、こうして無為に時間が過ぎていくことだ。
さっさと終わらせ宴を始めることが先決……!

- そ、曹操様、ですが……

- よいと言っている。何といわれようが私は甘んじて受け入れよう。
私は変態で構わない!

- 曹操様ぁー!!

- すげーキメ顔でとんでもないこと言われた

- じゃあ曹操は“変態君主”で、夏侯惇は“その犬”でいいね

- ぐぬぬ……

- 夏侯惇、受け入れろ

- ……わ、わかりました

- やばい、オレ涙で前が見えない……

- アイツも苦労してんだな……

- はい、じゃあ決まりね

- 待て……っ!

- 何? やっぱ納得いかないの?

- せめて……“曹操様の犬”にしてくれ

- 夏侯惇! ぶわぁっ!!

- 夏侯惇殿が“曹操様の犬”ということは私もそうなのでしょうか?

- そうか。張遼も今では曹操軍だからな

- はい。本当は関羽さんにお仕えしたいのですが

- お前はまだそんなことを言っているのか!

- ですが、これは私の本当の気持ちです。
犬というのであれば、私は関羽さんの犬になりたい……

- すげーキラキラした笑顔で犬になりたいって……

- 曹操軍ってのは、変態の集まりなのか?

- じゃあ張遼の匿名は“関羽の犬になりたい”で

- ありがとうございます

- ありがとうなの!?

- ですが一点だけ。“関羽の”ではなく“関羽さんの”として頂けますでしょうか?
私があの方を呼び捨てにするなど畏れ多いです

- こういうところにこだわるあたり、犬の資質大いにありだよな

- さっきの夏侯惇しかりね

- まったく、変態だとか犬だとか下らない。
私にはもう少しまともなのをつけるんだな

- うん。じゃあ諸葛亮は“扇子”で

- 扇子!? なぜ物体の名が私個人を指し示す役割を果たす!?
もはや生き物ですらないではないか!

- ふっ、変態だろうが犬だろうが、生き物ではあるからな

- すげー勝ち誇った顔してらっしゃる

- まぁ、諸葛亮っていえばその変な扇子の印象が強いからな

- そうだよね。ボクこの間、諸葛亮に話しかけたと思ったら扇子だったもん

- オレもそれあるわ

- 嘘をつくな! なぜこの扇子が私だと認識される!?

- 劉備軍あるあるだな

- まぁまぁ、わかりやすくていいじゃないか。
それよりとっとと終わらせて、関羽の手料理でも食おうぜ

- ってわけで、残りはオレだけだな。
いったいどんな匿名をつけてくれるか、お手並み拝見といこうじゃないか

- あ、周瑜はさっきのでいいよ

- “水上の美丈夫”ってやつだろ?

- え?

- うん。思えばボクたちまだそんなに周瑜のこと知らないし

- さっきのでいいじゃん

- え……ちょ、ちょっと……

- ボクもうお腹空いちゃった

- さっき関羽が様子を見にきてたよ。もう準備が出来たんじゃないかな

- そうか。あいつを待たせてしまっては悪いな

- じゃーもう行こうぜー

- ようやく終わったか

- え、いや、ちょっとちょっと……

- 夏侯惇、行くぞ

- はっ!

- じゃあ続きは限定版小冊子の方で、ということで!
みなさん宴の会場はこちらになりまーす!

- ひどい! みんなもっとオレにかまって!








