2014年2月25日
新参組「恋愛観について話してみよう」
CATEGORY|三国広報部

- 突撃! あなたの恋愛観は!?

- …………はあ?

- っと、待て待て! いきなり鬼の形相で拳を握り締めるなよ!

- ふん。急に変なことを言い出すからだ。なんだ今のは

- ん? ああ……あなたの恋愛観は、ってやつか?
なんか、これについてアンタと話せって言われたんだよ

- 意味がわからんな。そもそも、そのような馬鹿げた話、一体誰に言われた?

- ああこれ? これは……

- お二人共、こんにちは

- お、尚香! ちょうどいいところに来たな。
尚香が頼んできた話、諸葛亮は乗り気じゃないみたいだぜ?

- 何? もしや……

- ああ、そうさ。さっきの恋愛観うんぬんは、尚香が聞きたいって言い出した話だ

- あ、私の書簡を見てくれたのね、周瑜

- ああ。だけど、諸葛亮は話したくないみたいでさー

- ……そんなことは言っていない

- え?

- 私は一言も拒否する言葉など言った覚えはないが?

- ええ!? でも、すごい形相でにらんできたじゃないか!

- ふん。お前の目が曇っているんだろ

- 尚香の提案って言った途端、変わり身早すぎだ!

- うるさい。呉との関係を良好に保つのは劉備軍の軍師である私の務めだ

- ひいっ! ほら、それだよ! その顔だって! 鬼の形相ですごむなよ!

- もう二人共、ケンカなんてしないで。あの話は孫権お兄様のためなんだから

- え? どういうことだよ

- ……呼んだか?

- っ、急に出てくるなよ孫権!

- こらっ周瑜! 主君に向かって何という口を聞いておるんじゃ!

- げ。黄蓋のジジィまで来た!

- ほう……お前には目上の者に対する礼儀をもう一度
教えなおさねばならんようじゃの……

- うわっ! 何でここにいる奴らは拳を振り上げるのが好きなんだよ!
それよりみんなで尚香の話を聞こうぜ!?

- そうだったな。尚香、一体何の話をしていたんだ?

- あ、あのね、お兄様! 私、お二人に女性の好みの話を聞こうと思ったの

- 女性の好み……?

- そう! お兄様って普段そういう話をされないでしょ?
だから、色んな人の話を聞けば今後の参考になるかと思って

- そうか……妹に心配されるとは不甲斐ない。だが、尚香の気持ちは嬉しく思う

- ふふっ、いいのよお兄様!

- とか言って、尚香が聞きたいだけだったりして

- ぎくっ!

- …………

- …………

- ?

- 尚香様……

- だ、だって、私もそういう話が聞きたいんだもの!
それに、一番の理由は本当に お兄様のためよ!

- へー。まあ別に、もう何でもいいけどな。
この際だから、オレの好みの女の子をみんなに語ってやるよ

- 全く興味はないがな

- まあそう言うなって。オレの好みは……素直で可愛いのはもちろんだけど、
周りの人のために戦う強い女かな

- ふむ、強さか……

- なんじゃ。意外と武人らしいことを言うのう

- あとは、簡単になびかないところとかもそそられる。
そういう女って、何がなんでも振り向かせたくなるよな 。
涙目になっちゃうところとか、本当に可愛いぜ?

- と思ったが、どうやら儂の勘違いだったようじゃ……

- なんだか周瑜……それって特定の人のことを言ってない?

- 顔がにやけておったのう

- 周瑜、今の顔は軍議で見せるな

- ……馬鹿だな

- っておい! 相変わらず反応がひどいな!

- やれやれ……お前の好みなど聞いても新鮮味がないわい。
いつもほいほいと遊びまわりおって!

- そりゃあ女の子と過ごすのは楽しいからな。でも、今は一人にしか興味ないぜ?

- あら、やっぱり誰か好きな人がいるのね

- ふむ……周瑜が一途に心寄せる相手か

- 一途って言ったら、孫権はとことん尽くしそうだよな

- 当然だ。相手に誠意を尽くし、我が身をかけて守っていくのが夫の務めだ

- 孫権様……! 素晴らしいお考えです!

- ただ、好みの女性というのはよくわからない。
奥にする女性の条件など、こだわるものなのか?

- じゃあお兄様、今度は諸葛亮さんに聞いてみましょう!

- !

- 教えてもらえるだろうか、諸葛亮

- 諸葛亮殿……我が君主のために力をお貸しください!

- どうする、諸葛亮? 答えないとずっと頼まれ続けるぜ ?

- ……はあ。そうですね……傍にいてくれて、
自分を包み込んでくれるような女性……。
そういった女性がいれば、幸せになれるでしょう

- ほう……

- へえ……諸葛亮ってそんな女が好みなのか

- はあ? お前は馬鹿か。今のは孫権様に言ったんだ

- え?

- 今のは孫権様にとってふさわしい女性像を言ったまで。私に好みの女性などいない

- っ! ったくなんだよ! 感心したオレが馬鹿なのか!?

- だから馬鹿だと言っているだろう

- うう、オレ……さすがにもう泣いてもいいよな?

- それより私! 諸葛亮さんの言葉に胸を打たれたわ!
そんな女性に私もなりたい……!

- って、無視かよ!

- 諸葛亮……私のことを考えて答えてくれたとは、心遣い、感謝する

- 儂も感動いたしました……。孫権様と共に礼を申し上げます!

- はあ……オレもう帰ろうかな……

- では、尚香様! あとは儂のみですな……!

- え? 何が?

- 好みの女性の話です。今となっては遠い思い出ですが
儂も昔は恋の一つや二つ……経験しておりますからな

- あ、いえ! 黄蓋の話はいいわ!

- いいえ! 儂だけ話さぬのも失礼にあたりましょう!
是非儂の話も聞いてくだされ!

- ああ。私は聞くぞ

- お兄様!?

- ありがとうございます、孫権様! では、僭越ながら申し上げます……

- ……おい、諸葛亮。オレじゃあ止められないから手伝ってくれないか?

- はあ……なんなんだここは……








