2015年8月27日
感謝を込めて○○を作ろう!
CATEGORY|三国広報部

- みなさん! 大変長らくお待たせいたしました!
ついに『十三支演義 偃月三国伝1・2』が発売いたしました~!
いえ~い! パチパチ~!!

- ここまでの道のりは支えてくれたみなさんのおかげです。
そこでボクたちが精一杯のお祝いをしたいと思います

- パンパカパ~ン!! よーく見るがいい!
この光り輝くお祝いケーキを!

- …………まったく意味がわからん

- ちょっと、そういう反応やめてよ。せっかく用意したんだから

- わぁ! これ、けーき? って言うんだね。
初めて見るけど、すごく大きいな

- はい! 三段作りの豪華仕様です!
ここにいる全員分を十分まかなえる特大ケーキ!

- くんくん……なんか甘い匂いするけど食い物なのか?

- はっ! 馬鹿なことを言うな。
こんな変な形の食べ物があるわけ……

- 異国で食べるお菓子だそうですよ。
そこでは、祝い事がある時に食べるのだとか

- なっ!?

- であれば、今日にはもってこいというわけだな

- そうです! そして作ったのはもちろん関羽です!

- ふっ、私との出会いを祝うために作ったのか。我が妻は愛い奴だな

- おい、なに勝手に妻扱いしてんだよ!
……こりゃあ、後で関羽に気をつけろって言わないとな

- あ、ちなみにこのケーキ、
全員がちゃんと食べられるわけじゃないからね

- 何!?

- ……またこの流れか

- ふっふっふ! そう!
今回はこのケーキをかけて勝負してもらいます!
題して!
『関羽のためにメッセージプレートを作っちゃおう対決』~!!

- めっせーじ……

- ぷれーと?

- うん。異国ではそのケーキの一番上に
お菓子の板を突き刺すのが風習らしくてね。
その板には『おめでとう』とかお祝いの言葉を書いたりするんだって

- 突き刺すって……蘇双

- はは、要は飾りというわけだな

- そう。それで、今回の発売を盛り上げるのに
各自でお祝いの言葉を書いてもらいたいんだけど……

- ただ、書いてもらうだけじゃつまらない!
誰が一番いいこと書いたか決めちゃおうぜ!
いえ~い! ふぅう~~~!!

- 関定うるさい。普通に説明して

- あ、はい……
で、勝者はご褒美にケーキがたくさん食べられるってわけだな。
あと、関羽からあーんってしてもらえます!

- 何!?

- 曹操殿、先ほどから同じ言葉しか発していませんよ

- ここにお菓子の板とチョコペンがあるので
これで好きな言葉を綴ってください。
あ、温かいと溶けるので注意してくださいね

- おい、ちょっと待て。まだやるとは言ってな……

- はーい! それでは始め!

- ……

- 諦めろって、諸葛亮。結局毎回こうなるんだから
楽しんだほうがいいぞ?

- だなー。いつにもまして、関定たちの進めっぷりすげーし

- ふむ。しかし、この『ちょこぺん』はどう扱えばいいんだ?

- ああ。これはおそらく、このように……

- うわっ!?
なんか変なの出てきた!!

- へぇー、面白いな。それ、ちょっと貸してくれよ

- ……曹操様はどうされますか?

- 決まっている……! それを渡してもらおう!!

- うわぁっ!!!!
剣向けるんじゃねーよ!!

- 曹操様!? こ、ここにもありますから!!

- ねえ、諸葛亮。君は関羽になんて書くの?
参考までに教えてくれないかな?

- くっ……もう仕事として割り切るか

- はーい! それではみなさん書けましたか?
日頃の感謝を込めたり、思いのたけをぶつけたり
しちゃってますか~?

- ……

- ……

- う……どうしよう蘇双、めっちゃ睨んでくる

- 大丈夫だよ。
なんだかんだ言ってもあの二人だって書いてたから

- ホントか? じゃ、じゃあ早速いきます!
このながーーーい卓の上に、
書いた内容を発表しながらお菓子の板を置いていってください

- 揃った時点で関羽に選んでもらうから。それで勝敗が決まるよ

- ? 何故、関羽さんをすぐに呼ばないのですか?
早くお会いしたいのですが……

- 誰がどれを書いたか分かっちゃったら意味ないでしょ?
あと、本人がいたら絶対騒ぎになって収集つかなくなるからね

- 蘇双……ホント進行に淀みがないな

- 全くいい迷惑だ

- ……はぁ、何故俺までこんなことを……

- さーて! では順番に見ていきましょう!
では、ため息をついた夏侯惇からどうぞ!

- な!? 俺か!?

- そっか。夏侯惇が書くことなんて
貴様を倒す! みたいな脅迫に決まってるもんな。
だったら先に出しておいた方がいいんじゃね?

- ふ、ふざけたことを言うな!
それに、勝負を挑むのは脅迫ではな……

- はーい、御託はいいので発表しましょう!
蘇双、読んじゃって!

- ええと……『勝負しろ! 話はそれからだ』

- …………

- ……果たし状か?

- 果たし状だな

- 穏やかではありませんね

- おおっと、これは最初から波乱の展開!
お菓子の板で果たし状とは斬新です!

- ほら見ろ! やっぱ合ってんじゃねーか!

- う、うるさい! 書けと言われたから書いたまでだ!

- だが、『話はそれから』という言葉には含みがあるな。
勝負をした後、何をするつもりなのか……

- 夏侯惇、どうするのだ?

- い、いえ! 別に深い意味はありません!
ただ、結局奴とは決着がつかなかったので、このような文に……

- でも、それなら『勝負しろ』だけで十分だよね?

- いずれにしても、一騎討ち以外に何かあるというなら
俺が黙っていないぞ

- う、うるさい! 黙れ!!

- あ、さっそく収集つかなくなってる?

- うわああああ! ちょっと待って!
じゃ、じゃあ次は趙雲、お願いします!

- ん、俺か? では……

- なになに?
『食べさせてもらうのもいいが、俺はお前に食べさせたい』……

- な、何書いてんだよ趙雲!!

- おいおい、こんなもの乗せる気か?

- 何かおかしかったか?
俺はあいつを構ってやりたいと思っただけなんだが

- 構うって、ダメに決まってんだろ! 姉貴に近づいたら許さねー!

- それは困るな。関羽には日頃から世話になっている。
俺はあいつに礼をしたかっただけで……

- お礼でもダメ!!!

- 安定の天然タラシです!
これは趙雲が一歩優勢か!?

- そもそもこれも祝いの言葉ではないが……

- 趙雲よ……我が覇道を邪魔立てするなら容赦はせぬぞ

- ちょっと待って。曹操の覇道に関羽は関係ないよね?

- ほう……劉備よ。お前も私を止めるつもりか?

- そ、曹操様!?

- おいおい、この二人ヤバくね?

- お二人とも。
暴れるようでしたら外でお願いしますね

- おい! 少しはお前も止めようとしろ!

- ……誰が発表しても騒がしくなるね

- ちょ、蘇双も止めて!

- ムリだよ。関定が体当たりで止めてきて

- いや、それ死んじゃうから!
えええと、じゃあ、次は劉備様いってみましょう!
きっとほのぼのするような言葉が書いてあるはず……!

- ……え? そう、だね……
『いつもありがとう。これからもよろしくね』
って書いたんだけど……こんな感じでよかった?

- いいです、劉備様! まさにそれが大正解!

- ええー!? 別に正解とかないだろ?

- だが、劉備殿らしい素直で良い言葉だ

- ふん。貴様は、いつもあの女にそう言ってないか?

- 何度でも伝えたいから回数は関係ないよ。
それに、いつも関羽は喜んでくれるから
言える時は何度でも言いたいんだ

- ああ……劉備様、本当にすばらしいです!

- ふむ……いつもありがとう、か……

- あ、ここで書き直したら負けにするからね

- 書き直しではない。追加するのだ

- どっちにしろ駄目だろ!

- その通り! ということで、次は曹操に発表してもらいましょう!
追加していないところだけ読み上げます!

- くっ……遅かったか

- 本当に曹操は呆れるくらい全力だね……

- そ、曹操様……

- じゃあ、読むね。
『関羽よ。お前のことを考えぬ日は一日たりともない。
それなのに、何故お前は私の傍にいないのだろうな。
これは二人の絆を試す試練なのか』

- え?

- 『だが、私は諦めぬ。
どんな障害があろうとも必ず乗り越えお前を迎えに行こう。
その時はお前も私を受け入れ……』

- ちょおおおっと待った! それ、全部書いてあるの?

- ……うん、小さな字でびっしりと

- うっわ! なんだコレ、米粒並みに小さいぞ!

- あの『ちょこぺん』でここまで書けるとは
曹操殿は手先が器用なのですね

- そういう問題じゃねーよ!

- な、なんということでしょう!
手のひら大のお菓子の板に所狭しと文字が書かれています!
う……見てたら気持ち悪くなってきた……

- ! 貴様、何を言う!
曹操様のお言葉が気持ち悪いわけ……

- でも、目が疲れちゃうくらい細かいよ。ほら

- うっ!

- うめき声を上げたな

- おかわいそうに

- う、うるさい!

- 曹操を庇うのは夏侯惇ただ一人!
張遼に曹操軍の自覚は未だないようです!

- ふっ、そのような気遣いは無用だ。
関羽が受け入れてくれれば、それで良い

- そして、この菓子の板が飾られた暁には
私のこの腕の中に関羽が……ふふふ……ふふ……

- あー、曹操はもうほっとこうぜ。
次いくぞ、次!

- では、そうしましょう!
次はじゃあ周瑜でお願いします!

- お、いいぜ!

- って、ちょっと待って。
これ、『祝結婚! 周瑜・関羽』って書いてあるけど……

- !

- なんだと!?

- そ、それって……

- おい、周瑜! どういうことだよ!

- そりゃあ勿論、オレと関羽が結ばれる予定だから?

- あくまでも予定だけどね

- けど、ある意味一番上手いこと書いたよな。
実際のお菓子の板もこういうこと書いてあるらしいし

- くっ! その手があったか……!!

- あ、曹操が崩れ落ちた

- 曹操様! お気を確かに!!

- では、周瑜殿のものが関羽さんに選ばれるのですか?

- それはどうだろうな。
あいつのことだ、恥ずかしがって逆に選ばないだろう

- え!?

- むしろ、羞恥に任せて拳が飛んでくる可能性も……

- ……なんかあり得そうで怖いな……

- はーい、周瑜が曹操の隣で打ちひしがれたので
次にまいりましょう! お次は張飛!

- お、待ってたぜ! じゃじゃーん!

- ! こ、これは……!

- 『姉貴の料理、すげー好きだから
これからもたくさん食わしてくれよ!』ってな!
いい感じの言葉だろ?

- 普通だな

- ありきたりという奴だ

- え? ぼ、僕はいいと思う……よ?

- ! ほとんど否定された!

- っていうかさ……張飛

- 何だよ? そんなしぶーい顔して

- 字が下手すぎ。これじゃ誰も読めないよ

- へ?

- おおっと! これは字がつぶれている!
チョコペンがミミズのようにしか見えません!

- おや、本当ですね。
頑張って書かれていましたのに……

- うーん、たしかにこれは読めないかも

- 勝つ以前の問題だな

- そ、そんな……うそだろ……

- 泣かないでください、張飛さん。
きっと関羽さんになら届くと思いますよ

- う、うう……ありがとな、張遼! オレ、頑張る!

- 一応、敵同士じゃなかったか?

- では、次は張遼にいきましょう!

- 張遼のは……
『私にも是非作り方を教えてください。
そして、今度は一緒に作りましょう』だね

- なんだそれは、手紙か!

- ? 何かおかしいでしょうか?

- おかしいというか……たしかに手紙だね

- だが、夏侯惇も果たし状なら同じだろう

- な!

- それに、伝えたいことを書いているなら間違いじゃないさ

- ぐ……!

- はい。私は関羽さんと過ごす時間が一番大切なのです。
ですから、その時何をするのかはそこまで重要ではありません

- ぶわっ! その言葉、曹操に聞かせてやりたい!

- ふっ……戯言を。共にいるのならば
もっと深く愛し合い、求めるのが当然だろう!

- うわああああ!
な、なんてこと言ってんだよ!

- おいおい、変態発言禁止だぞ

- それ、周瑜が言うの?

- はぁ……馬鹿ばかりだな

- はーい! では最後に、辛らつなセリフを言った
諸葛亮のお菓子の板を見てみましょう!

- ! 別に私の分は……

- わ……こ、これは……

- どうした、蘇双? 顔が赤いな

- だ、だって見てよコレ!
諸葛亮の……

- あ……『感謝』って書いてある

- ! に、似合わねー!

- うるさい!

- ぎゃん!

- 毎度扇子の餌食になるとは無様だな

- う、うっせー……

- だが、たしかに諸葛亮にしては珍しいな。
どういう風の吹き回しだ?

- 別に何もない。
異国での慣習なら、いくつか定型文があるんだろう?
私はそれを予測して書いたにすぎない。
記念というなら、感謝の意を示すのが妥当だ

- はははっ、確かに。
これは軍師殿に一本取られたな

- とか言って、本当は関羽に感謝してるだけじゃ……

- ……お前も張飛と同じ目に合いたいようだな?

- って怖いな、おい!

- これで全員出したのかな……?
あとは関羽に選んでもらうだけだね

- ああ、それなんですけど……

- ん? 何か問題でも起きたのか?

- い、いや~っていうかさ、今日も暑いよなー、みんな!
だって夏真っ盛りだもんな!

- そ、そうだね!
ここは諸葛亮にあおいでもらいたいくらいだよ

- 何が言いたい。はっきり言わぬと……

- ああ! お菓子が溶けてる!

- 何!?

- おや、本当ですね

- !! も、文字が読めなくなっているだと!?

- ええと……ここって外に比べたらマシだけど涼しくはないからさ?
ケーキは安全なところに避難させておいたけど
このチョコってやつもやっぱり溶けるんだなーって……

- ……

- そ、曹操様? 大丈夫ですか?

- 完全に動きが止まったな

- いや、曹操のはむしろアイツに見られなくてよかったんじゃないか?
あんなの見たら、気持ち悪くて投げ捨てるだろ

- ……いいや! まだ諦めぬぞ!

- わっ! 曹操?

- そもそも菓子で出来た板切れに
私の想いが綴れるはずがなかったのだ……
かくなる上は、直接関羽に想いを伝えるのみ……!

- 待っていろ、関羽!

- おい! 姉貴のとこに行くつもりか!?

- まずい! オレたちも行くぞ!

- ああ。劉備殿も行こう!

- そうだね。ほら、諸葛亮も!

- !? いえ、私は……

- いいから来いって!

- ま、待て貴様ら! くっ……!
曹操様ーーー!!

- おや、これでは関羽さんが困ってしまいます。
お助けしなければなりませんので、私も失礼しますね

- あー……みんな行っちゃったよ

- 曹操ってば、相変わらずすごいな

- ……もう、関定が勝負事にしたいって言うから
こんな大変なことになったんだからね

- う、悪かったって

- まぁ、このドタバタも最後だと思えば
ちょっと寂しいとは思うけど

- お! 蘇双がそんなこと言っちゃうとはな~
広報部やるの、好きだったか!

- う、うるさいな! それより追いかけるよ!

- ああ、そうだった!
じゃないとケーキ食べられないしな!

- では、みなさん。ここまで読んでくれて
ありがとうございました!

- ここからは、オレたちが活躍するゲームを
たーくさん楽しんでくださいね!




