2015年8月4日
十三支1メンバーで男気自慢!
CATEGORY|三国広報部

- なぁ、趙雲! 今回は男気について話すんだってさ!
これって、オレにぴったりのお題だよな!

- なるほど。
それで先ほどから『オレの時代到来!』と叫んでいたのか

- おう! なんかさ、
自分の男気とか自慢できるところってのを話して、
姉貴に聞いてもらうんだと

- つーわけで! ここでオレの男らしいところを
めちゃくちゃ語ってやるぜ!

- ふん。
そんなもの、自ら主張するものではないだろう

- よいではないか、夏侯惇。
関羽の耳にこの話が入るのであれば
一日中話すこともやぶさかでは……

- ねぇ、曹操。『おとこぎ』ってなぁに?

- !

- おや、今日の劉備さんは前回とは違うのですね

- ? ぼく、なにか変?

- いや……

- その辺りの事情は関定さんや蘇双さんが詳しそうですが……

- 関定のヤツ、前回色々あったせいで動けなくなったらしくてさ。
蘇双が文句言いながら看病してたぜ?

- 蘇双は優しいからな

- ふん、詳しくは知らないが、
簡単に根を上げるとは日頃の鍛錬が足りんな

- って、夏侯淵!? なんでいるんだよ!

- は? 曹操様と兄者がいれば、オレもいるに決まってる!

- まぁ、良いではありませんか。
せっかくですから皆で仲良く話しましょう

- うわああああ!
袁紹まで来た!

- おい。いい加減、話を進めなくていいのか?

- って、オマエ誰だよ!?

- なっ! お、俺だよ! 俺、俺!

- 何が言いたい。
まさか適当な名を騙って我が軍の偵察でもするつもりか?

- 違うっての!
俺は騎馬民族、馬一族の嫡男、馬超だ!

- ああ。あまり交流はなかったが、
たしか反董卓軍にいた武将だな

- そういえば、戦場にいたような気も……

- ……すみません。私もよく覚えていません

- ひどい扱いにもほどがある!

- ふむ、これはうるさいな。総勢9名とは

- でもぼく、みんなとたくさんお話しできてうれしいな。
おにいさん、よろしくね

- ん? あ、ああ……

- 劉備って、こういう時の適応力が意外と高いんだよな。
オレ、尊敬するわ

- ふむ、たしかにそうだな。
そこが劉備殿の素晴らしいところだ

- えへへ。
ぼく、ほめられちゃった? うれしいな!

- では、劉備さんは懐の深いところが
『男気』になるのでしょうか

- 懐が深い? そんな風には見えないけどな。
っていうか、劉備は全然男らしくないだろ

- まあ、見た目から男らしさは感じられねぇな

- そうでしょうか? 男らしい行いだけが
『男気』というわけでもないと思いますよ

- 何?

- 弱者が苦しんでいる時、己の損得を顧みず力を貸すような方を
『男気あふれる方』だとお呼びするのだと聞きました

- ? 弱者が……顧み、ず?

- つまり、義侠心を持っていれば
男気溢れる方だということになりますね

- ぎ、ぎきょう……?

- ですので、劉備さんは十分男気に溢れているとも
言えるのではないでしょうか?

- あ、ああ……

- 大丈夫か、夏侯淵!
目の焦点が合っていないぞ!

- ……夏侯淵には、もう少し頭を使う事を
覚えさせた方がよいかもしれぬな

- も、申し訳ありません!
夏侯淵には後でしっかりと言っておきます!

- まぁ良い。夏侯淵のよさは他にあるからな

- 曹操様……!

- ふふっ、曹操たちってなかよしなんだね

- ええ、お二人にとって良き君主なのでしょう。
僕も見習わないといけませんね

- なるほど。曹操殿が慕われる理由は
人を見る目があるから、ということですか

- 曹操軍の規模がその証明かもしれないな

- ってことは、曹操は君主たる器がちゃんと出来てるってことか

- ふっ、当然だろう。
率いる兵がいる以上、その者たちへの配慮は常にしておくべきだ

- 部下の失態にも責任を取るくらいでなければ、
上に立つ資格などない

- ふむ、そうか

- 曹操が普通に君主してる!

- へぇ、それが本心ならご立派な考えだな

- 何を言う! 曹操様ならば当然のこと……

- まあ、この魅力が伝われば
関羽もすぐに私のもとへと来るだろう……

- え?

- いや……ここで話しているよりも
今すぐあの娘に直接会う方が良いのではないか?

- へ?

- よし、すぐ探しに行くぞ!
夏侯惇、夏侯淵。出立の準備だ!

- お、お待ちください、曹操様!

- あー、アイツらはほっといて、先に進めようぜ

- そうだな。奴らに付き合ってやる義理はねぇ。
人が減れば少しは静かになるだろ

- じゃあ、張飛の男気について話してみるか?

- おう、任せろ!
そう……あれは、照りつける太陽の日差しに
体が焼け焦げそうになった日のことだった……

- ええ!? 張飛の体焼けちゃったの? 大丈夫?

- いやいや。人の体はそう焼けねぇだろ

- うむ。張飛の体は簡単に焼けるほど柔じゃない

- ああ、そういえば以前、呂布様が焼死体について……

- って、おいいい!!!
今オレ語ろうとしてたじゃん!?
なんで、みんなして違う話すんだよーーー!!!

- す、すまない……! さあ、続きを話してくれ

- もういい……

- あれ、すねちゃったの……?

- ……大人気ないですね

- 張飛……お前の元気がないと劉備殿や関羽が悲しむぞ?

- え……?

- お前の明るさは皆に元気を与えてくれる。
それこそ太陽のように皆を照らしているのだろう。
俺にはできないことだから羨ましいよ

- ちょう、うん……!

- 元気になられたようでなによりです。
それにしても、趙雲殿は周りをよく見ておられるのですね

- そうか? 普通だと思うが……

- ううん! 趙雲はすごくやさしいよ。
それって、みんなのことをよく見てるから
やさしくできるんだって関羽が言ってた!

- ははっ、なるほど。皆に喜んでもらえているなら嬉しいよ

- ふむ……他の軍の武将とは言え、
見習うべきところもあるということか

- 兄者! オレたちは曹操様だけを見習えばいいんだ!

- そ、そうだな……

- あれ、お前ら……
さっき曹操を追って行かなかったか?

- ぐっ……

- だ、だまれっ!

- ふふっ、皆さん色々な面をお持ちなのですね。
聞いているだけでも楽しいです

- 張遼……オマエ、ある意味すごいよな

- ねぇねぇ、張遼は『おとこぎ』っていうのはないの?

- さぁ、どうでしょうか?
私に出来ることと言えば戦うことと家事くらいですが

- だが、その技能も立派な長所だろう

- それに、張遼は物腰が柔らかくて無闇に人を貶めたりしない。
そこも十分いい所だと思うぞ

- そうですか。ありがとうございます

- ふーん、お前ら結構面白いな

- じゃあ、今度はおにいさんがおはなしする?

- お、いいぜ!
男気って話なら俺だって負けちゃいねぇ

- 腕っ節の強さはもちろん、部下にだって慕われてる。
おまけに女にもモテるときちゃあ
この中での男気の高さは、俺が一番だろ!

- ふん! 曹操様だって女にモテる!!

- えー、曹操ってモテるのかよ?

- 当たり前だろ! 曹操様だぞ!

- ……夏侯淵。そのような瑣末なことで張り合うな

- 急に出てきたな……

- 曹操様! そうだぞ、夏侯淵。
そんなもの男気でも何でもない!

- そうか? 女が惚れるってことは頼り甲斐があるんだろ?
なら、間違っちゃいねぇよ

- いや、男気というものは己の武を極めるために
常に信念をもってひたすら鍛錬に励むことだろう

- そして、民や国のために力を注ぎ
守っていくことこそが男のあるべき姿だ

- ! まさに男気とはそれだ!
オレも兄者と同じように精進を重ねなければ!

- そ、そうか……ならば、帰って鍛練だな

- ああ!

- ……ふん、先ほどから黙って聞いていれば
随分と程度の低い話をしていますね

- ……何?

- だってそうでしょう? 今まで話に出てきたものが
人の長所になりえるとは思えません

- だったら、お前の男気ってヤツは何なんだ?
自信があるなら言ってみろよ

- いいでしょう……
せいぜい僕の完璧さにひれ伏せばいいのです

- ? なんだかさっきと雰囲気がちがうね

- あ! まさか遂に本性を現しやがったか?

- 僕は学問も立派に修め、知識も膨大。
武芸はあまり得意ではありませんが
それを差し引いても十分な能力を備えています

- そして、一番の魅力といえば!
そう! 家柄です!

- ほう……

- うわー、コイツまじで嫌なヤツだな!

- ふっ、なんとでも言いなさい!
卑しい十三支の戯言など取るに足らないこと!

- そもそも、高貴な生まれの僕に
お前たちが太刀打ちできるはずないでしょう?

- 待て、袁紹!
それ以上、皆を貶めるようなら俺が許さない

- ああ、俺も今のは聞き捨てならなかったぜ!

- ふっ、家柄だけで優劣が決するとは
浅はかな考えを持っているようだ

- ……なんです? 寄ってたかって。
本来ならば十三支など、この僕と
会話をすることすら許されないのですよ?

- まぁ、あの関羽とかいう女くらいなら
僕の傍に置いてもいいですが……

- へぇ? 袁紹って、関羽のことが好きだったんだ?

- っ!? お前は……!

- わあああああ!
この劉備ってヤバくね!?

- 僕から関羽を取るなんて許さないよ。
猫族のことだって、ひどい言い様だったし……

- これは、誰が一番偉いのか
その身にちゃんと教えてあげないといけないよね

- !? な、なんですかこの悪寒は!
ぼ、僕はもう失礼します!

- 何言ってるの? 逃がさないよ!

- あ、劉備待てって!
おい、趙雲! 一緒に止めるぞ!

- ああ!

- 曹操様、我々は如何いたしますか?

- ふむ、これを好機とし、袁紹にひと泡吹かせてやるか

- ならば、お任せください!
このオレが誰よりも先に袁紹を討ち取ってみせます!
うおりゃああああああああ!

- 待て、夏侯淵! 俺も行く!

- ……ああ、皆さん行ってしまわれましたね

- ずっと騒がしかったが……こんなんでよかったのか?

- いつものことですから問題ないでしょう。
遅くなりましたが、お茶でもお出ししましょうか?
あの様子では、方がつくのに時間がかかりそうですから

- ……じゃあ一つ頼むか




