「さてさて、観光スポット紹介のお時間ですよ〜。
今回ご紹介する観光スポットはずばり【寒名市】になります」
「おい、狐邑。ここは観光スポットを紹介するコーナーじゃないだろ」
 
「あー、もうノリが悪いですよ、大蛇先輩」
「…………」
 
  「せっかく俺が全国の先輩に向けて  
寒名市の良いところを楽しく聞いてもらおうと思って頑張ってるのに、  
大蛇先輩が空気を読まないから俺のテンションがた落ちですよー」
「…………(まだ始まったばかりだろ)」
 
「そうか、すまなかったな狐邑。俺もおまえのノリに付き合えばいいのか?」
「大蛇先輩だと面白くなりそうもないんで、いつも通りのノリでいいですよー」
 
「…………(昔から変わならいな)」  
「ではでは、話を戻して。
   寒名市は都心から離れ、山に囲まれた小規模な街なんですよー。
   あ、山に囲まれてるから田舎って想像した先輩もいるんじゃないですか?」
 
「おい、狐邑。それは偏見じゃないのか」
「世の中には、結構偏見を持つ人がたくさんいるんですよー。
雪国生まれの人はスキーが滑れて当然だ! みたいな感じですよ」
 
「そ、そういうものなのか?」
「ですです。
けど、寒名市は田舎どころか最先端の技術によって作られた、
めちゃくちゃ住みやすい街なんですよね〜」
 
「ああ。この街に長いこと住んでいるが、生活で困ったことはないな」
「最先端の技術の街というせいで自然がないのではと思うかもしれないが、
【寒名市】は、公園など自然などと触れ合える場所も用意されているんだ」
 
「そうですよ〜  
学校も名門とか言ってるだけあってセキュリティもさることながら
カフェテラスや購買の商品も充実してますよ!」
「名門とあまり関係ない気がするが……」
 
「何を言ってるんですか〜  
美味しいものがあるってことは学園生活的には重要なんです!」
「狐邑の個人的意見は放置しておこう。他にも学園には温室や屋上もあるんだ。
いつも一緒に食事をする屋上の眺めは、俺のお勧めだよ」
 
「真面目ですね〜 あ、先輩! 俺のお勧めは、購買限定発売の蒸し――」
「尺がないから、次にいくぞ」
 
「大蛇先輩……ま、いいですけどー」  
「街の方に行けば、ショッピングモールなどのレジャー施設が多く存在するんだ」
 
「ショップも充実してますからね、フードコートとか色々あるし」  
「この街だけで生活に困ることはほぼ存在しない。都心よりある意味住みやすい街でもあるな」
 
「ですね、遊ぶ場所も充実してますし、これを聞いた全国の先輩も住みたくなったんじゃないんですか?
住みたいですよね! 先輩ならいつでも来てくださいね!」  
「……だが、狐邑が説明したように寒名市は小規模な街だ。
希望者全員を受け入れていたら、あっという間にパンクしてしまう」
 
「そうなんですよねー。しかも、住むには条件があるんです、面倒なんですけど。  
パンクしてしまうと困るので、仕方ないです」  
「まさに【選ばれた者】だけが住むことを許された街。それが【寒名市】だ」
 
「ものすごく閉鎖的で、……正直、俺は息がつまりそうだったんですけどね」  
「最近は、他の街とも交流を持つようになったせいか、以前ほど退屈はしなくなりましたけど」
 
「…………(街は変わっても、狐邑の性格は変わらなかったんだな)」
「今、何か俺の悪口が聞こえた気がしたんですけど、何かいいましたか?」
 
「俺は何も言っていない。気のせいじゃないのか?」
「その笑顔が怪しい……」
 
「怪しくないぞ、全然……(勘の良いヤツだな)」  
「……何か釈然としませんけど、そういうことにしておきます」
 
「そうそう、肝心なことを言い忘れてました。
この街の中心であり、研究施設――【日本地力エネルギー研究所】に
ついても説明したほうがいいですよねー?」
「【日本地力エネルギー研究所】、通称【JSEI】か。彼女と俺が出会った場所だな」
「今の彼女もかわいいが、あの頃の――」
「大蛇先輩。ノロケは家に帰ってからやってくださいねー」
  「…………」  
  「気を取り直して。 【JSEI】の技術力は高く評価されてるんですよー。
   だから、日本中の注目を集めまくっちゃってるんです、人気者ってつらいですよね〜」
 
  「地力エネルギーとか難しいことは、きっといつか大蛇先輩が説明してくれます!」  
  「お前が説明するんじゃないのか……」
 
 「なんの話しですか?  
小難しいことは、大蛇先輩がきっとどこかの日の目でしてくれると思いますよー」  
  「そうだな。【JSEI】の説明はもういいんじゃないのか?」
 
  「ですね。じゃあ最後は……じゃかじゃかじゃかじゃーん!  
寒名市に新スポットがオープンしました♪  
何ができたのかは本編で確認してくださいねー」  
  「ヒントは【青】
   あとは、生き物と――これ以上は、ファンディスク本編で。
……君と過ごす時間がふえるといいな」
 
  「あーっ、大蛇先輩、抜け駆けはなしですよ〜」
  「狐邑……お前」
 
  「全国の先輩、俺も先輩とも遊んでくださいねー。絶対ですよー」  


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