???
「……なんだ? バカっぽいのが二人来たな」

妙な声がかかった。しかも、頭上から。
……ん? 頭の、上から?
はっと上に目をやると、踊り場の屋根になにか人影らしきものが……。
はっきりは見えないけど、人影から察するに、小学生くらいに見えた。
なんで小学生が高校に? なんであんな高いところに登ってるんだろう、とか、そういう疑問が十個くらい頭に浮かんだ。

???
「そっちの女が姫様か? それっぽくねえなあ」

む。なんかえらくバカにされてる気がする。

拓磨
「ああ、そうらしいな」

拓磨が普通に言った。

珠紀
「あのねえ」
???
「目上の者には敬語だろ? 拓磨?」
拓磨
「……そうっすよ。姫様です」

うわ。拓磨が敬語使ってる。
それだけでも十分すごいことだと思ったのだけど。
でも、それはただの序章に過ぎず。
次の瞬間、もっとすごいことが起きた。