さっきまでの熱が嘘のように冷たく、
				ずっしりと重たい。
				
				――これは、夢だろうか。
				夢に決まっている。
				そう思う一方で、
				『夢ではない』という妙な実感がある。
				
				確かめたいことはたくさんある。
				なのに、抗いようもなく意識は覚醒に向かっていき、
				夢の世界が曖昧に薄れていく。
				
				まだ、何も分からない。
				確かなことがひとつもない。
				それでも――
				私は、力を選んだ。
				そんな実感だけが残っていた。