遠くからしか眺めたことがなかった
彼岸獅子の行列を、三郎たちについて
もっと間近まで行って見物する。
衣装は目に鮮やかで
お囃子の高揚感に心を掴まれて――
私はすっかり舞い上がって、はしゃいでいた。
帰り道。
真似っこをして踊りながら歩く私は、
当然、足元がおろそかになっていて……
転んで尻もちをついた私へ、
ふたりはそれぞれ手を差し出してくれた。
女の子相手に、はしたない。
そう怒られることも構わずに、
私を助けようとしてくれたんだ。
わたしは二人の手をとって立ち上がって、
優しい友人を持ったことを嬉しく思いながら
帰路を歩いた。
あの日のことを、ふたりも覚えているだろうか?
あれからの日々を考えると
またこうして一緒に歩いていることが、
奇跡のように感じてしまう。
そんなことをふたりへ打ち明けたら、
大袈裟だと笑われてしまうかもしれないけれど。