ユーリア
「ちょ、ちょっと……!」
ルドヴィク
「うわ、ふかふか! 姫さまの布団、すげぇあったかい!」

ルドヴィクは布団の中で気持ちよさそうに目を細めた。

ルドヴィク
「それに、いい匂いがする……」
ユーリア
「っ……ルドヴィク……」
ユーリア
(犬の習性だってわかってるけど、匂いを嗅がれるのはちょっと……)
ユーリア
(それに、この状況はさすがに――)

私はルドヴィクから距離をとって、壁際に身を寄せる。

ルドヴィク
「姫さま? なんでそんなに離れるんだ? 狭いだろ?」