道行く人たちの装いが変わりはじめ、季節の移ろいを感じる秋。
僕は香羊と2人で、いつものように星を眺めていた。
成仏……か。
S=CROWN……
香羊は詳しくは聞かず、「そう」とだけ言った。
……彼のこういうところ、安心するなあ。
僕のペースに合わせてくれるこの親友に、これまで何度救われたことか。
……僕と同じ死者である彼女もまた、心残りを抱えている。
彼女はあまり口に出さないけど、きっと家族のこと……。
詳しく聞きたい気持ちはあるけど、それは出来ない。
だって、彼女の心が壊れてしまうかもしれないから。
心が壊れる時は一瞬だって、僕は知ってるから……。
香羊が僕にしてくれているように、優しく寄り添っていきたい。
彼女のペースに合わせて……。