聖夜・オディロ・柚木永・神編
前日譚Short Story【私の日常】

――地獄・自宅。
明日、彼女を迎えるため、私は最終チェックを行っていた。
本は全て本棚に仕舞い、家具も綺麗に磨き上げた。
彼女へのプレゼントも用意できて――……

「私とした事が、なんというミスを!」

彼女の大好物……甘いものがこの家にはひとつもない!!
私はすぐに家を飛び出し、メインストリートを目指した。
……………………
――メインストリート。
目的を果たせて、ほっと胸を撫で下ろす。

「ん? あれは……」

魅ナミが路上で店を開いているのが見えて、すぐに踵を返す。
……遠回りになるが、別の道で帰るか。
歩みを進める中、考えるのは明日からのこと。
私と彼女が天へ昇るまで、数日はこの街で過ごす事になる。
彼女が魅ナミと顔を合わせる機会も……いや、これを考えるのは彼女だ。
私は、私のすべきこと……アレとの出来事を彼女に話さなければ。

「しかし、どう切り出せばいいか……」

自宅に着くまでの間、考えていたが良い案は浮かばなかった。