水鏡星絆・神編
前日譚Short Story【僕の日常】

――昼・九十九神社。

「明日、1秒でも長く彼女の瞳に映っていられますように……どうかお願いします、神様」

深々とお辞儀をしてから顔を上げ、振り返ると――

「あ、聖ヤさん」
「明日は愛しい恋人との再会ですか」
「うん。今年は僕の誕生日にね。来年の予定も決まっててさ」

……まあ、それは僕が勝手に決めてるんだけど。

「その感じ……来年は特別な事をするのですか?」
「まあね」

来年は7月7日に再会したい。2人にとって大切な日になるから……。

「それでしたら、彼女に何かプレゼントしてはどうです? 己で働き、お金を稼いで愛しい恋人へプレゼントを贈る……とっても素敵なシチュエーションでは?」
「…………HOでは働かないよ?」
「そう言わずにまずは見学だけでも……ああ、ちょうどここにパンフレットがありますから――」
「いつも言ってるけど無理だってば!」