秋月香羊・神編
前日譚Short Story【俺の日常】

――夜・海浜公園。
仕事終わり、いつものように幼馴染と星空観賞。
今日の話題は俺と彼女のことで……。

「ふふっ。やっとって感じだね」
「まあ、まだあの人には言ってないけど」
「いつ言うの?」
「明日から出張だから、それが終わってからかな」
「行く前に言えばいいのに」
「…………」
「あははっ、ここまで緊張してる香羊見るの初めてかも」
「うるさい」

茶化されるのはわかってたけど、伝えておきたかった。星絆は大切な親友だから。

「……はあ。今すっごく気分が良いよ。歌いたいくらい感情があふれちゃってる」
「じゃあ、歌えば?」
「うーん……まだその時じゃないかな」
「なにそれ」
「ふふっ、なんだろうね」
「?」