痛いくらいにきつく抱き寄せられ、
呼吸が苦しく感じる。

でもこれは、幸麿さんが感じている
痛みなのかもしれない。

幸麿
「そなたの想いは、わかる。
だが、心が追い付いてくれぬ……」
幸麿
「我は、そなただけの妖。
そなただけが我の主様。
他の誰の妖にもなりたくはない――」
逸色 珠沙
「……っ」
幸麿
「我儘だとはわかっておる、
我の気持ちをくんでくれたのも
わかってはおる、だが……」