伊音 響
「それより、さっきの質問の答えは?」

(考え事について……だよね。
冬休みのこと、なんて言おう……)

伊音 響
「……もしかして、
僕に言えないようなことを
考えていたんですか?」
逸色 珠沙
「そうじゃないんですけど……」
伊音 響
「それなら、言ってください。
隠されていると、心に悪いから」
逸色 珠沙
「…………」

響くんの言う通り。
情緒不安定な彼は、
ちょっとしたことでも気に病んでしまう。

(彼が現世にいる理由……心残りが
私になっている今は、尚更)

伊音 響
「珠沙さん。早く」