久遠 桃嘉
「今日は、珠沙さんの行きたいところへ。
どこへでもお付き合いします」
逸色 珠沙
「ありがとうございます。
それじゃあ……どこにしようかな」
久遠 桃嘉
「あ、神社だけはよしてくださいね。
それ以外でお願いします」
逸色 珠沙
「ふふっ。そのつもりです」

(桃嘉さんにとっては職場だもんね)

逸色 珠沙
「じゃあ、この辺りを散歩しましょうか」
久遠 桃嘉
「はいっ」

(あ……)

声が弾んだのを感じて、
そこに以前の彼を見る。

姿は変わったけど、
前の……子供の時と変わらない部分が見えて
懐かしくて、嬉しくなる。

こういうのは時々あって、
おそらく本人は
意識せずに出しているんだと思う。