物語

粋な街、赤坂に暖簾を掲げる明治創業の割烹『弥島』。

二代目店主・弥島幸太が病に臥したため息子の幸介が三代目店主の座に就いた。
しかし、幸介は長年抱いてきたホテル経営の夢を実現させるべく、割烹『弥島』の土地を狙っていた……

看板さえ残せばいいと考えている長男・幸介、店と看板を残したい父・幸太は真っ向対立する。


安住りつは田舎にある料理旅館を営む両親の許、店を手伝い忙しい毎日を送っていた。
いつか店を継ぎたいと両親に思いを打ち明けるが女がなれるわけがないと一笑に付されてしまう。

そんなある日。

『弥島』店主、弥島幸介との縁談が舞い込む。
先代は父と旧知の仲、りつの心とは裏腹に周囲はこの縁談を喜んだが……

この縁談が始まりとなり
りつの運命を大きく動かしていくのだった。