アーティスト コメント

舞台となるガラスの街《透京 - トウキョウ -》は、
私たちが住む東京の姿の隠喩とも言える。

冷たさの中に零れ落ちる涙は儚くも美しく、
鏡面体としてのガラスに映り込む数奇な運命の巡り合わせが、
世界の隅々にまで滲み渡り横たわっている。

幾許(いくばく)かの束縛に付与されたアガペーの姿態を端緒に
華麗且つ美麗なる理想を掲げて創られた世界観を、
如何にして彩り輝かせられるかと言う一点に注視し、
音を練り上げて行く時間は至高の時であった。

加川狂介